ひるどき青森シリーズ・その1 ~青森・「三ツ石」で食べるフジナマコのともあえ、ホタテの子、そしてタラ白子の天麩羅~

 

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 八戸から特急に乗り換えて、お弁当片手に雪景色の中を進む。
 この冬、東京や神奈川ではこんな景色を見ることがなかったこともあって、目の前を流れる光景が変化するたびに、新鮮な気分になったり心が洗われたりと、雪が織り成す白い世界による何かを感じながら特急は進む。ただ、目の前にある世界作り出すものには、雪害といった裏の顔もあるので、こんなきれいごとだけではないのだが。
 ということで、約1時間後に到着したのは青森駅。
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 ここにコインロッカーに荷物を預けた後、約4時間ばかし仕事をして、一度駅に戻ってきてからホテルにチェックイン。ちなみに、駅前にはカーリング世界選手権関係者とおぼしき外国の方もちらほらと。
 で、寒い外に出て夕食のために向かったのが、手がかじかんでいる中で撮影してしまい、思い切りブレてしまったのだが、三ツ石という酒と肴のお店。
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 で、ここで仕事で一緒だった方と合流。まず、先付として出されたのがこのお皿。
・フジナマコのとも和え
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 ナマコといえば、見た目は別として表面がつるっとしていることと、かなり強い弾力を持った身というのが特徴ではあるのだが、これはフジナマコという柔らかめのナマコ。そして、自身の内臓を身と和えたのがとも和え。
 じんわりと広がる、いい意味でクセがない内臓のコクと、心地よさを感じさせるフジナマコの噛み心地によって、ナマコに対する印象が変わったのと同時に、素材が素材らしさを出すための料理の姿というものを勉強させられた。
・お刺身3品
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 手前から平目、ホタテの子、そしてホタテの貝柱である。ホタテの子はいわゆる生殖巣のことで、メスの場合はこの部位が赤く、オスの場合はこの部位が白くなっている。
 この部位は、市場でも貝柱や外套膜(貝ヒモ)だけ売る場合には、当然ながら取り除かれてしまい、ワタの部分と一緒に一盛りいくらという具合で売られている。しかし、同席の地元の方曰く、「新鮮じゃないと、この部位をお刺身で食べることはない」とのこと。
 ということで、期待感たっぷりに口にして、歯で少し噛んだ瞬間に思った以上に薄い皮を突き破って、濃厚なコクが一気に広がる。これは旨い。鮮度で価値が変わるならば、これは相当に価値のある味である。
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 一方、貝柱の甘みもかなりのもの。正直、生殖巣と一緒に食べたら、どんな爆発力をみせてくれるのかという感もあったのだが、それを試すことなく先に生殖巣を食べてしまった…
・サバ、エビ、バーナの焼き物
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 青森には「七子八珍」という、青森近海で獲れる海産物の総称があり、七子(魚卵7種)、八珍(8種の珍味)、堂々九品(青森といえばの9種)、隠れ十品(マニア向けの隠れた名品10種)という、全34種類から構成されている。
 で、脂がしっかり乗ったサバも堂々九品に含まれるのだが、やはり個人的に気になったのは、ムール貝のようで、少し違うのバーナ貝というもの。これは日本では養殖されてないものらしい。
・筍、タラの芽、たつ天 
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 次に運ばれてきたのは天麩羅。地物の筍、タラの芽、そしてタラの白子を衣に閉じ込めた「たつ天」。
 シャキっとした食感と、さわやかな風味が心地よい筍、タラの芽の青々とした苦味とその奥にある旨み。そして、噛んだとたんに、液体に近い状態の白子が溢れてくるたつ天。
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 素材力をしっかりと感じさせる一皿となっていた。
・コマイ干し
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 北海道周辺で獲れる魚で、漢字で書くと「氷下魚」となる。これにマヨネーズをつけて食べると、意外にグラマラスな身からは、噛めば噛むほどに濃い味が溢れてくる。また、骨ごといけるのだが結構固めなので、勢いに任せるとしっぺ返しを受けることになってしまう。
 初日から、ガシガシと青森の素材力に溢れる料理に出会うことができ、自分の青森満足度はかなり高まったのだが、この後に行ったお店で出会ったものは、裏・青森的名物的に、マニアックな魅力を持ったものだった。
 その2に続きます。
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 通常の東京版と並行して、「ひるどき青森シリーズ」と題して、2泊3日で食べた全10食を随時お送りします。アイデンティティに満ちた青森の食材と料理を、たっぷり紹介していきますので、最後までお付き合いください。目印は「青森」タグです。
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ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家
地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。詳しいプロフィールは下のリンクから。
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