ひるどき青森シリーズ・その7 ~これが青森自慢の津軽ラーメン!黒石市・「長崎屋」で食べる中華そば~

 

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 津軽の郷土料理と、青森おでんの奥深さで身も心も満たされた翌日。ホテルの窓から外を眺めると、一面の雪景色。首都圏が記録的な雪不足だった中で、こんな景色を見ることで、自分にとっては遅ればせながらの冬が来たという感覚と共に、これが今年最後かもという寂しさが入り混じった妙な感覚になる。
 そんなホテルの一室を飛び出して、すぐさま向かったのは弘前駅。そして、JRの改札横を駆け抜けて飛び乗ったのは、弘前市と黒石市を結ぶ鉄道である、弘南鉄道弘南線。なぜここまで急ぐのかというと、この電車は単線で自分が乗った時間帯は、1時間に2本というダイヤ編成となっていたためである。
 そんな2両編成の電車に乗って向かう先は、青森県黒石市。
 この黒石市というのは、去年から「黒石やきそば」で注目されているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、自分は旨いものが揃う青森県の中でも、素材で有名な地というよりも、料理で有名といった地という印象を持っていた。
 
 ということで、事前に3件ばかしお店をピックアップして、時間が許す限り回ってみようというのがこの日のテーマ。制限時間は約3時間、さしずめ「ひるどきタイムトライアル」といったところか。
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 そんな切羽詰った状況の中で、進行方向に向かって一番後ろの車両に飛び乗って、大きな荷物を床に下ろしてから車内を眺めると、下車時に精算を行うための機械や、車内アナウンス用に設置された昔のカラオケスナックにあったようなカセット。
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 雪景色を颯爽というより力強く走り抜けていく電車。時に、単線ゆえに通過待ちでホームに長く留まったりしながら、車窓の景色に白く染まった山間が目立つようになったころ、終点の黒石駅に到着した。
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 ホームと駅舎の間には、窓ガラスが入ったスチール製のドアがあり、それを開けてキップを駅員さんに渡してから、黒石の地に足を踏み入れることになる。
 駅はロータリーが設置されている側と、裏道のようになっている側がある。で、裏道側に出て市役所方面に歩くこと約10分。パチンコ屋さんの斜め向かいに見えたこの食堂が、最初の目的地である「長崎屋」。
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 店内に入ると、左側には昔のままに使い込まれたメニューサンプル、右側には同じく使い込まれたテーブルやイスと共に、大きなストーブが鎮座していた。
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 さて、ここで注文したのは「中華そば」。でも、これはただの中華そばではなく、実は「津軽ラーメン」と呼ばれるもの。なのに、津軽ラーメンと銘打っておらず、「中華そば」として出しているところに好感を持った。
 注文してから出てくるまで待っていると、時間帯が正午近くだったこともあって、次から次へとお客さんが入店し、ラーメンを注文している。
 
 そして約6分後。目の前に運ばれてきたのは、素朴な姿の中華そばであった。
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 余分な具がないその姿は、スープと麺が主役というラーメン本来の姿を、しっかりと思い起こさせてくれる。ところで、この津軽ラーメンの特長は、ダシに焼き干しをふんだんに使った、香り豊かで濃厚な味わいのスープ。
 そんな、やさしい香りが広がるスープを一口すすってみると、見事に濃厚なダシの旨み。醤油ダレが控えめなので、麺に味をつけるためのスープというよりは、スープ単品でぐいっと飲めてしまう、あっさりとした作り。
 次に麺を引き上げてみると、
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 箸越しに伝わってくるのは、モチモチとした感触。ハリやコシが強い麺を持つと、ずっしりとした重みを感じるのだが、この麺を引き上げたときは独特な印象を覚える。これをずずっと口に入れると、歯を伝わって感じるのは、くにょくにょと柔らかめの食感。でも、ハリやコシがしっかりと残る麺。
 そんなやさしさを持った麺と、やさしいスープが見事に一体になった組み合わせとなっている。寒さも手伝ってというのではなく、ただただ食べてスープを飲んでいると、いつの間か器の中がカラッポになっており、身も心も温まって次の店に向かうのであった。
 ちなみに、このお店の中華そばには、もう一つの名物と呼べるものがあり、それが
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 この麩である。妙にスープの味と馴染むこの具は、この店の「中華そば」らしさを体言する一品になっているのも見逃せない。
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 また、これ以前の「ひるどき青森シリーズ」は、下にある青森タグをクリックしてご覧ください。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家 地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。プロフィールやお問い合わせは下のリンクから。
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