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ひるどき青森シリーズ・その8 ~歴史ある焼き型が作り出す味。黒石市・「藻川屋」で食べる大判焼と鯛焼き~

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 津軽ラーメンを食べた後、今にも折りたたみ傘の骨が曲がりそうなぐらい、強い風に乗って雪が舞う中を黒石駅の方向に歩いていたら、こんな何かありそうな外観のお店に遭遇することができた。
 年季のタイヤキの絵柄に誘われて店内に入ると、そこに広がるのは、さっきの長崎屋を上回るほどに、年季が入ったテーブルとイス、そして小上がりのスペース。そして、左側に目を移すと…


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 こんな年季が入った焼き型。○が規則正しく並んだその金型は、大判焼き用のものである。遠目で見てもサビ一つなく、丁寧に使い込まれているのが伝わってくるのと同時に、ご主人の仕事に対する気持ちが伝わってくる。
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 で、了解を得て更に近づいてみると、金属が使われるごとに生み出される、重厚な艶が作りだす色合いがなんとも言えない魅力を放っており、半端じゃない磨かれ方であることを教えてくれる。そして、更に奥にあった鯛焼きの焼き型に目を移すと…
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 年季の入った五輪のマークが。これは相当だよなぁ…と思って伺うと、これは東京オリンピックの時代に作られたという焼き型とのことで、青森県内でも、これを使っている人は数少ないとのこと。
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 更にお願いして焼き型の上部を持ち上げてもらうと、ぷっくりとした鯛の姿が。
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 今のタイヤキの焼き型というのは、タイヤキの厚さがどこから食べても均質になるように、平らに造られているものが多いのだが、こちらではお腹の部分にたっぷりと餡子が入るようになっており、正に鯛の姿を模した物となっている。そして、当然ながら手入れも行き届いており、見ていると眩しさすら感じられる。
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 さて、そんな年季が入った焼き型で焼かれた、大判焼と鯛焼きを一つずつ注文してみた。
 
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 自分は有名店の大判焼や鯛焼きを食べるとき、学生さんが部活帰りに立ち寄るようなお店で売っている鯛焼きと、どう違うかという視点で食べるのだが、この2つを目にしたときは、その姿から生地のやわらかさと優しさが伝わってきた。
 まず、大判焼きを二つに割って思い切り頬張る。
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 見た目以上にフワフワな生地の食感。そしてほのかに甘いその味は、餡子がなくても、これだけを口にしたくもなる。そして、丁寧に作られた十勝の餡子の甘さとの相性は申し分なし。粒餡特有の噛んだときに広がる強い豆の味と甘さがたまらない。これを毎日のように口にすることができる地元の方がうらやましい。
 
 次に、鯛焼きを二つに割って頬張る。
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 大判焼よりも、少し固めの食感を持つ生地は、大判焼きとは違ってしっかりと餡を包み込むための作りであり、芳ばしさに満ちた食感となっている。餡子との相性もすこぶるいい感じで、お腹にたっぷり入った餡子を食べながら、焼き型で焼かれる姿を想像するだけで、胸躍る気分になる。
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 こちらが、このお店のご主人である高橋様。焼き型や餡子についてお話を伺っていると、強いプロ意識を感じたのと同時に、伝統的にしっかりと作りこむ鯛焼きの文化が、少しずつ減少しつつあるという事実も伺った。
 高橋様の仕事に対する真摯ながしっかりと詰まった2種類の焼き型。これが受け継がれないのであれば、あまりにも悲しすぎる話である。
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takapu

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家 食や旅をテーマにした商品開発や既成品リノベーションを始め、コンテンツ企画、取材・執筆・撮影、PRツール制作、漫画原作、講演、事業所の強みづくりコンサルティングを手がけています。 詳しいプロフィールはお仕事に関するお問い合わせは、下のリンクからお願いいたします。

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