ひるどき高知シリーズ・その2 ~帯屋町・ひろめ市場 岩がき、カツオのたたき…何でもあります!~

23/03/2007高知,四国,寿司/刺身,揚げ物,ひるたび・さんぽ,よるどき

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 カツオのお茶漬け風ラーメンを食べた後、歩くこと約20分。途中で、はりまや橋の大きさにある意味で驚愕しつつ、向かったのはこの市場。
 この市場。元々は帯屋町商店街の終点(はりまや橋方面から歩くと、一番終点となる)に、目的地となるような施設を作りたいということで、設立されたもの。
 ただ、卸売機能を持つような公設の市場とは違って、ここは広いスペースに数多くの店舗を集めて、市場が持つ賑わいを生み出して、集客機能を果たすというものとなっている。
 その敷地面積は約3千平方メートル。入場して色々と見回していると、入口に魚屋さんがあり、さらに奥に進むとアクセサリーや洋服を取り扱うお店もあるのだが、大半のスペースは飲食店が占めており、フードコート的な色合いとなっている。
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 なので、こんな感じのスペースに、数多くのテーブルと椅子がセットされている。
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 ただ、週末ということもあり、空席がほとんどなかったため、腰を落ち着けて食べるのをあきらめようと思ったのだが、幸いに空席となったテーブルを発見。
 さて、ここの基本ルールは、各店舗で注文すると、その商品を持ってきてくれるというもの。ということで、フロア内に点在するカツオの店や居酒屋、うどん屋、中華料理屋にラーメン屋、インド家庭料理屋…とにかくたくさんある店舗のうち、まずは席に一番近いお店で2品注文して、席に戻って待つこと約10分。運ばれてきたのは、期待通りの2品であった。


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 岩がきとカツオのたたきである。岩がきはこれからが時期を迎えるいわば走りの状態。なので、大きさも小ぶりなのだが、くにゅくにゅとした食感の後に広がるのは、力強く濃厚な甘みとコク。また、添えられているもみじおろしを乗せて食べると、味にしっかりとしたメリハリが生まれる。
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 岩がきの産地の食堂では、岩がき定食ということで、岩がき+ごはん+味噌汁というシンプルな定食があるというが、この一粒でそんな定食がある理由に納得。一方のカツオのたたきも、1枚約1センチの身。さわやかな酸味や旨みが、噛むごとにしっかりと広がる。
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 と、ここで後で相席となった地元の方に声をかけていただき、合流させてもらえることに。自分の席を外して店を探すという不安がなくなり、安心して次のお店に向かう。
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 まず向かったのは、こんな感じのおすし屋さん。地物の魚を中心にして目の前で握ってくれる。注文したのは、モンゴイカ、中トロ、土佐牛のたたき、土佐清水の〆さば。 
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 モチモチした食感から濃厚な甘みが広がるイカ、思った以上に脂の乗りがよかった中トロ、そして土佐の地物2種類。特にゴマ鯖を〆たしめ鯖の味が、青魚特有の臭みが皆無で、しかもほどよい〆加減によって、更に味が引き出されているという、理想的なものだったのが印象的。
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 中華料理店からは、餃子を注文。
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 これを食べて改めて実感したのが、このスペース全体が巨大な居酒屋になっており、しかも一つ一つの料理の味のレベルが高いという、至れり尽くせりな構成となっているということ。品数だけであれば多くのお店でクリアしているのだが、味もクリアするのは難しいものである。
 とここで、相席になった方から「塩たたきは食べた?」という言葉をかけてもらった。実は、塩たたきの存在すらほとんど知らなかったのだが、「塩たたきは、タレで味をごまかすことができないので、本当に旨いカツオのたたきはこっち」ということで、これは必食と思い購入していただいた。
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 正直、これはタレのたたきよりも圧倒的に旨い。
 塩を振って焼くというシンプルな作りゆえに、カツオの良さが前面に出る一方で、ちょっと落ちるカツオだとこの味はできないということを感じさせる。そして、身の旨さもさることながら、皮が持つ香ばしさから広がる香りが食欲を刺激し、しかも塩がいい具合に馴染んでいるということで、この部位の濃厚な旨さがたまらない。ちなみに、これは熱々のうち食べるのが流儀とのこと。
 この旨さの衝撃からの余韻に浸りつつ、次に口にしたのは…
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 高知と言えばウツボ。ということでウツボの唐揚げである。衣のカリっとした軽さから広がるのは、むっちりした身のなんともいえない食感。ロングテールのごとくに、弾力が長く続く。コクがあり不思議なその味は、正直例えようがなく、これが経験値となる味となっている。
 
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 巨大な居酒屋風スペースということで、鳥と豚のナンコツも注文。高知の鳥といえば鶏の土佐ジローが浮かぶのだが、これがそうだったのかを確認するのを忘れてしまったのが残念。
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 そして、〆はインド家庭料理店で売っているカレー。正直、食べる前には「うーん…どんなものなのだろうか」と思っていたのだが、これがえらく旨い。手作りのチーズが入ったこのカレーが、生ものを多く食べた口に対して、気合のような刺激とボリューム感をしっかりと満たしてくれる。
 この市場の料理店は、複数客向けのボリュームとなっているので、一人で多くの種類の料理を食べるのはかなり厳しい。それを感じたのが、カツオのたたきの頃。しかし、お遍路さんから伝わる四国のいたわり精神によって、地元の方に温かく声をかけてもらったことで、数多くの料理を口にすることができたことのが、料理の美味しさよりも一番嬉しかった。この場を借りて感謝いたします。
 そしてこの後、この方々と意気投合して、更にディープな高知のお店へと連れて行ってもらうことに…
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著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu