中部地方 ひるたび・さんぽ

富士宮市・第2回B-1グランプリと富士宮やきそばを巡るひる・たびさんぽ(その7)~住宅街に隠れた、これぞジモショクな富士宮やきそばの店「あき」~

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 旨いランチと郷土食フリークの皆様、お待たせしました。ひるどきでございます!!!!!!
さて、現在のひるどきは何位になっているでしょう?
 前日と合わせて、今回のB-1グランプリに出展している、21種類の料理を一通り食べた後は、開催である富士宮の旨いものを取り揃えたF-1会場から、こちらの方が入手された富士宮の鱒を使った料理3種類をいただくことに。
・富士宮鱒の漬け丼
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 漬けダレの香りで緩和されていることもあるが、そもそも、川魚特有の匂いはほとんど感じず、箸越しに伝わってくるプリプリの弾力が口に入ると、身の旨みとそれを上回る脂のコクが口いっぱいに広がる。
・イクラ丼
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 鮭のイクラよりも粒が一回り小さく、皮が少し固めなのが特徴の鱒のイクラ。
 そんな色鮮やかなイクラがたっぷりと乗ったこの丼、皮の固さゆえに噛んで皮が破れる瞬間には、ちょっとした爆発のような勢いを感じさせ、そこから広がるまろやかな味は、鮭のイクラと比べると濃度を強く感じ、その結果としてご飯とのコントラストを作り出しながらも、しっかり一粒一粒に馴染んでくれる。
 もちろん、ズケ丼の上に少しイクラを拝借して食べると親子丼となり、イクラの濃さと身のコクが組み合わさることで、旨々シナジーがピークに達する。
・鱒の塩焼き
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 久しぶりに、こういった大胆な焼き魚を食べると、皮が焼かれることで生まれる香りに夢中となってしまう。
 
 ハフハフと小骨を口の横に避けつつほおばると、白い身からは凝縮された旨みがあふれ出す。こうなると勢いがついてしまい、ものすごく小さな骨は「よく噛んで食べてしまえ」となる。でも、骨を噛んでいるうちに不思議な旨みがあふれてくるのも、魚一匹を食べるからこその幸せ。
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 15地区のご当地食と鱒料理を食べて、お腹はかなり満たされているものの、富士宮やきそばは別腹。
 ということで、一旦会場を後にして、こちらの方が仕入れた、「ここは特に旨いらしい情報」を元に、焼きそば屋さんをこちらの方のご友人さまと4人でめぐることに。


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 住宅地の中にポツンとたたずむお店、「あき」。住居兼店舗となっているので、店内には大きな鉄板と、それを囲むようにして置かれている6脚のイス、ウェイティング用のイスが2脚。そして、店頭には看板犬が1頭。
 地元の方にとって、まるで実家別宅のごとくに、親しまれていることが伺えるように、先のお客さん4人が楽しそうに食事中だったので、ウェイティング用のイスも使って2:2に分かれて食べることに。
 で、注文したのは、焼きそばの肉玉としぐれ焼きの肉玉とビールが3杯。下戸の自分は店頭の自販機でコーラを購入して持ち込んだ(「ソフトドリンクはありませんか?」と訪ねたら、お店の方曰く「外の自販機のジュースを持ってきてね」。そんなお店なのだ)。
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 まず、このお店では鉄板にラードではなく、サラダ油を引いて鉄板の上で伸ばす。
 これは理由が2つあって、一つは単純にラードだと重厚感が強すぎるため、もう一つは、このお店、実は出前用をメインとして作られることが多く、冷えても美味しくということになると、ラードよりはサラダ油ということでこちらを使っているとのこと。
 ちなみにこのお店、お店の営業開始時間になって最初にやるのは、近所の病院への出前用の焼きそば作り。なので、店頭に暖簾がかかるのは、12:30ぐらいとのこと。
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 まるで鉄板の上で、そばやキャベツと会話しているかのように、高温の鉄板と向かい合いながらコテは力強く、それでも温かく動いている。そして、ムダのない一連の動作によって、肉玉ができあがった。
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 ラードではなくサラダ油を使っているので、全体に口当たりがあっさりとしており、そこにソースが強く主張するかのように絡んでいる。こってり土台から味が始まるラード型とは対照的な味の作り。豚肉やキャベツも大きめに切られているので、具を食べたという満足度も高い。
 卵の使い方も、前島では半分まで焼きそばを食べたところで、生卵を落とし入れ混ぜて熱を通すことで、麺に絡めるという作り方だったのだが、こちらは半熟目玉焼きとして提供、黄身をそばと合えてコクを加える。
 また、ここのお店のもう一つのポイントが、キャベツの水分の使い方。前島ではキャベツを切った後でザルに入れて水分を飛ばすのだが、ここは逆にキャベツは切ったものをそのまま使う。こうすることで、キャベツの水分が持つ甘みや旨みを、そばがしっかりと吸収してくれるからである。
 
 ラードを使わないと麺のボリューム感に味の濃度が負けてしまうのではと思ったのだが、サラダ油やキャベツを使う、「ウチの店の味」というゴールが明確になっているので、申し分のない作りとなっている。ちなみに、こちらの方はたっぷりのネギの効果もあってか、ここのやきそばが口当たりの良さがあって、大のお気に入りとなってしまった。
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 こちらは、同時進行で作られているしぐれ焼き。ネギがたっぷりと入った色鮮やかなカタマリが裏返されて、たっぷりのダシ粉が振りかけられる。
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 さっきは、ズルズルとすすって食べていた焼きそばを、生地を通じて具として食べると、その印象は一変。ボリュームの作り方が主食→具となるので、より食べ応えが増すこととなる。
 香ばしく焼かれた皮のパリパリとした食感に包まれるのが、蒸し焼きのごとくに瑞々しさを持った麺やキャベツ、そして卵と豚。ここでも、サラダ油+ソースの味設計がいかんなく発揮されており、食べやすさは十二分。
 やはり、この2種類を食べてこそ、富士宮やきそばを、あるいは富士宮の鉄板文化を理解できるということ。そしてお店によって作り方に対するポリシーが違い、個々に明確な設計図を持っていることを再確認。
 こうして、鉄板を空にしてコーラを飲み干して、次のお店へ向かうのであった。
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takapu

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家 食や旅をテーマにした商品開発や既成品リノベーションを始め、コンテンツ企画、取材・執筆・撮影、PRツール制作、漫画原作、講演、事業所の強みづくりコンサルティングを手がけています。 詳しいプロフィールはお仕事に関するお問い合わせは、下のリンクからお願いいたします。

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