中部地方 ひるたび・さんぽ

富士宮市・第2回B-1グランプリと富士宮やきそばを巡るひる・たびさんぽ(その8)~富士宮焼きそばの新しい可能性を探る店「小粋」~

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 旨いランチと郷土食フリークの皆様、お待たせしました。ひるどきでございます!!!!!!
さて、現在のひるどきは何位になっているでしょう?
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 「あき」から歩くこと約2分。緑色の建物が印象的なこのお店が、次の目的地である「小粋」。さっきまでいたあきとはうって変わって、こちらにはカウンターの他に、大人数が収容できる座敷も完備されている。
 その座敷の一角に座って、メニューを見ると…「しろやきそば」、「大人の茶漬けそば」、「そばめしを○○にした…」。という気になるメニューが目白押し。もちろん、富士宮やきそばやしぐれ焼きも出しているので、何を選ぼうか作戦会議。結局、物珍しさからしろやきそば、大人の茶漬けそば、そして富士宮やきそばを注文。
 まず、運ばれてきたのは、そばではなく…
 
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 一本の小瓶とこの言葉。
 「この瓶には生乳が入っていまして、これを振っていくと徐々に脂肪分と水分に分離して、バターになっていきますので、振ってみてください。」
 ということで、4人で交互に振る、振る、振る、とにかく振る。大の大人が4人で「こんな感じに振れば、いいバターになるんだろう」という思いを込めて、バラバラのフォームで振る。そして、振ること約7分。瓶から伝わる感触は、液体が動く感触から固体の重みへと変化していった。
 そのタイミングと同じくして、しろやきそばが運ばれてきた。


・しろやきそば
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 ソースがかかってないやきそば。キラーアイテムであるダシ粉もかかっていない。そんなキャベツと肉カスだけが入ったやきそばに、さっきまで瓶を振って作ったバターを乗せる。
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 で、混ぜる。
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 これで完成。早速、一口ズズっと口に持っていくと、バターによる滑らかな口当たりとコク、これを一気に引き締める酢の酸味。そして、最も印象的だったのが、弾力のある濃厚な肉かすの旨み。ここまでの3軒では、ソースの味が主役の焼きそばを食べていたので、肉かすの印象があまりなかったのだが、ここのはしっかりとメインを張っている。
 お店の方に伺うと、肉かすは既成のものではなく、そもそも焼きそばを焼く際に背脂を熱して、それを炒め油として使い、残ったものをそのまま肉かすとして使っているとのこと。つまり、ラードと肉かすを分けて考えるのではなく、「背脂を熱する→ラードと肉かすに分離される」という、考えてみれば至極まっとうな使い方をしているのだ。
・焼きそば
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 で、そんな肉かすにこだわったお店の、やきそばがこちら。これぞ正調富士宮やきそばといった具合の外観なのだが、味は肉カスの弾力がそばの弾力と相まって、食感から広がる味に深い階層を作り出している。
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 ソースの甘辛な味を、油と肉カスのコクが土台となって上手く包み込んでいる。もちろん、上に降りかけられる魔法の粉が作り出す旨みも十二分。
 2種類の焼きそばを食べていると、謎の3品目・大人の茶漬けそばが運ばれてきた。
・大人の茶漬けそば
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 正直、最初に思ったのは「我々は何を注文してしまったのだろうか…」というもの。お店の方の「麺が温かいうちにかき混ぜて、お茶コラーゲンを溶かして絡ませてください」という指示に従って、よくかき混ぜる。 
 そしてすすると、お茶の味が豚コラーゲンの滑らかな舌触りを通じて口の中に広がり、そこにコラーゲンそのものの旨みが加わるという、明確な味のデザインが表現されている。そして、最後にお茶のふりかけによって、ホロ苦さがズンズンと前に出てくるのも印象的。
 お茶漬けのいいところを、上手く焼きそばに投影させて、どのようにして個性ある麺に魅力を伝えるか。それが上手く商品として構成された一品である。
 3品を食べて、前のお店と合わせて2時間弱で5品。午前中にあれだけ食べたにもかかわらず、これだけ胃袋に入ってしまうのは、自分は麺の個性、そしてお店が持つ富士宮焼きそばに対する、アイデンティティが放つ魅力。この二つがあってこそだと思う。
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takapu

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家 食や旅をテーマにした商品開発や既成品リノベーションを始め、コンテンツ企画、取材・執筆・撮影、PRツール制作、漫画原作、講演、事業所の強みづくりコンサルティングを手がけています。 詳しいプロフィールはお仕事に関するお問い合わせは、下のリンクからお願いいたします。

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