富士宮市・第2回B-1グランプリと富士宮やきそばを巡るひる・たびさんぽ(その9)~B-1グランプリというモンスター~

 

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 旨いランチと郷土食フリークの皆様、お待たせしました。ひるどきでございます!!!!!!
さて、現在のひるどきは何位になっているでしょう?
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 そして、再びB-1グランプリの会場へ戻る。B-1グランプリは2日間の会期を終えて、最後のイベントである表彰式の真っ只中だった。
 投票所に備え付けられた、21種類の料理名が書かれた箱に投じられた、割りばしの重さ(=投票数)で決定した優勝は、地元富士宮市の富士宮やきそばだった。
 
 優勝という名誉に対して、何ら依存もなければ文句もない。自分がこの二日間で食べ歩いてきた中で、「富士宮やきそば」というものが、地元の方が持つアイデンティティによって、色々な方向に広がりつつも軸にぶれがない料理だということが明確になり、その懐の深さのような魅力に自分も惚れてしまったからである。
 ホームグランドである富士宮市の料理が、富士宮で勝った。結果だけ考えれば、それは地元の利というものも含まれての結果だと思う。
 
 ということを「ひるどき」で、2週間に渡って記録として書いているうちに、色々なことが頭をよぎった。


 
 二日間の集客数は、初日に10万人、二日目に15万人。
 主催者が当初の目標としていた集客人数は、二日間で10万人というものだった。数だけ見れば目標の2.5倍もの人数が集まり、一つの食のイベントとしては大成功の部類だと思う。
 でも、炎天下の中をお客さんが足を運び、出展場所の長い行列に負けずにその行列を更に伸ばし、どんな形であれ自分が興味を持った食を食べ、そして会場を後にする際に満足していったかというと、残念ながら公式ブログや方々に寄せられた声を見る限り、行列誘導等のオペレーションの不手際や、順位付けシステムの色々な問題など、一部で爆発してしまった感もある。
 これに関しては、主催者や出展者が色々な意見を真正面から受け止めて、反省すべきところは反省し次回の開催にて生かすことで、今回の声が届くことを期待したいのと同時に、声を大にしてまっとうな意見をあげた人は、次回のB-1まで責任を持ってその行く末を見届ける必要もあると思う。
 なぜなら、見られる側にとっては緊張感を持ったイベントの運営によって、見守る側にとっては、B-1グランプリというイベントにどんな形であっても関わり続け、両者の意思がぶつかり合い、トライアンドエラーを繰り返すことでイベント自体が熟成されるものだと思っているからである。
 例えば、プロ野球の外野席に足を運ぶお客さんは、選手のプレイを楽しみにしつつ、ひいきのチームの勝利を願って足を運ぶ。もちろん、外野席で大声を出して日ごろのストレスを発散したり、彼氏に連れられて初めて野球場に足を運んだりというお客さんもいる。
 そして、ワンプレーごとに歓声を上げたり、時にはブーイングをする。ダイレクトな反応があるからこそ、そこでプレイする選手達は成長し、たくましくなる。だから、自分は意見を封じるような動きには個人的には反対である。
 目的は違えどある空間に集まるということは、そこには必ず共通の動機があるはず。
 それは同じ対象物に少しでも興味を持つ人が集まって、祝祭が開催されている空間に足を運び、「イベントに参加したんだ!その時間を共通の興味を持った人と一緒にいたんだ!」という一体感を味わいたいからだと思う。
 「オレ、あんな混んでいたB-1グランプリに行ったんだぜ。一つしか食べられなかったけど…」と、家族や友人、あるいは職場の同僚など、自分の知り合いにそんなことを話した方も少なくないはず。
 でも、どうして伝えたいと思ったのか?
 それはいい経験であれ悪い経験であれ、その人にとってその時間が重みがあるものだからだと思う。どんな形であれ貴重な経験となっているからこそ、その正体がいいことでも悪いことでも、だからこそ話したいんだと思う。
 では、なぜ食べ物だけでこんなに集まるのか?
 単純に考えると人間の欲求対象となっている食べ物のイベントだからこそ、25万人も集まってしまい、それがB-1グランプリをモンスターとしてしまった。というのが事実だと思う。でも、このモンスターを生み出したのは八戸のせんべい汁研究所や、B-1グランプリのスタッフだけじゃない。ご当地グルメという興味を共有する一人ひとりが生み出したものである。
 こうなったら、このモンスターをとことん自分たちで育てて、日本が誇るモンスターに仕立て上げるのもいいかもしれない。
 イベントという形で目の前に姿を現したモンスターは一人ひとりの考え方によって、アメーバのように姿が変化し、そこから感じる空気も一人ひとりにとっては、まったく違うものになると思う。あとは、一人ひとりがどうやって接していくか次第ではないだろうか。
 でも、人がいなくなってしまってはこのモンスターの種、つまりご当地グルメは姿を消してしまう。極端に言うと、一人ひとりの思いと興味によって生まれたものは、それが失われることで存在自体がなかったことになるかもしれないのだ。
 それは避けなければならない。
 ただ、こんな形のモンスターになってほしいというビジョンは、一人ひとりの頭の中にあると思う。あとは、それを持ち続けながら、モンスターの種がどうやって生まれたかを、その故郷に訪ねることで、そのビジョンがより明確になると思う。
 そして、その動きが全国各地で巻き起こることで、モンスターはすくすくと成長していき、次の世代にも受け継がれていく。
 そう、モンスター自身にも、モンスターを生み出してしまった我々にも、やらなければならないことはたくさんあるのだ。そして、その目的は実は共通のものであり、我々が大好きなものである。
 だから、食べ物って面白いんだと思う。
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ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家
地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。詳しいプロフィールは下のリンクから。
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