青森・のとや 嶽きみの天麩羅と、天然のホヤがこんなに旨いなんて、知りませんでした…

19/09/2007青森,東北,よるどき

 旨いランチと地元食フリークの皆様、ひるどきでございます!!!!!!
 ところで…現在のひるどきは何位になっているでしょうか?
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 上野→大鰐温泉→弘前と流れてきた今回の青森県業務も、弘前での3.5時間に及ぶ委員会を終えて、前半戦の終了。
 で、翌日は朝9時から青森県庁にて打ち合わせだったので、この日のうちに弘前から青森市内に移動することに。青森駅近くのビジネスホテルにチェックインした後、自分と青森県とをめぐり合わせてくれた県庁の方と合流し、夕食としてご案内いただいたのは、駅から少し離れたところにあるこのお店。
 ちなみに、青森駅というのは駅前に大物再開発ビルが次々と建設されているものの、実は駅から離れたエリアのほうが繁華街となっている。ということで、繁華街の一角に煌々と店名が輝くお店の中へ。


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 店内の座敷に腰掛けると、持ってきてもらったのがこのメニュー表。このお店は、青森駅前にある古川市場という、駅前の市場で仕入れた魚を使っている。なので、日によってメニューの変動もあるので、全部マジックで手書き。
 ちなみに、自分も翌日の空き時間に古川市場の中を歩いてみたのだが、個人的にはそこで売られていたつぶ貝の大きさに衝撃を受けてしまった。
 ということで、同行していただいた県庁の方と自分が、これとは別に書かれていたオススメメニューがも含めて、思う存分に食べたいものを注文。
・つぶ貝
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 まずは、お通しのつぶ貝から。爪楊枝で全体を引き出そうとしても、どうしても切れてしまう。大の大人が真剣な顔をして爪楊枝を操る。引き出した瞬間は、まるでおみくじを開いた時のような感じか。
 弾力に満ちた歯ごたえから、エキスと調味の足し算がしっかりと組み合わさった味が広がり、身のパーツごとの特性もしっかりと感じることができる。
・毛豆
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 やはり、青森に来たからには毛豆を食べねばならない。毛むくじゃらであるほどに旨さが増すこの毛豆は、やっぱり止まらない。でも、勢いで食べてしまうともったいないとばかりに、手の速度は少しだけゆっくりしたものになる。
・みがきかっぱ
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 身欠きにしんときゅうりの組み合わせで生まれるのは、きゅうりの水分に身欠きにしんのコクが、ダシのように効いた味わい。味噌の塩分とコクとうっすらとした発酵感が、これを更に複雑な味に仕立てる。
・ホタテの刺身
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 身厚の貝柱、コリコリ感が強いヒモ。甘くて海くてたまらない。
・岩牡蠣
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 岩牡蠣は山形産。濃厚なクリーム感もピークに近い状態だった。大きさもゆうに10センチ越え。やっぱり岩牡蠣の味は大きさに比例するのか。
・嶽きみの天麩羅
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 今年の4月に地域団体商標にも認定された「嶽(だけ)きみ」。
 これは、これは弘前市岩木山麓の嶽温泉という地区の高原で栽培されるとうもろこし(=「きみ」)のこと。何と言っても一番の特長は、生で食べられること。ちなみに、北海道にもピュアホワイトという商品があったり、ここ最近、生で食べるとうもろこしが脚光を浴びている。
 で、この嶽きみ。地元では「蒸しきみ」や「焼ききみ」としてごくごく普通に食べられていたり、弘前の駅から少し歩いたところにあるアーケード型の市場でも、店頭で当たり前のように蒸しきみが売られている。でも、天麩羅を見るのは自分は初めて。
 これは、少し蒸したきみを衣に包んで揚げた一品。箸で持つとずっしりとした妙な重量感。そして、一噛みすると…
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 もぅ…これはすごい!蒸して油で揚げてと、熱をしっかりと通しているのに、シャキシャキした食感が残り、そこから広がるジューシーな甘さが濃厚!食べていて楽しい!なので、止まらない!圧倒的な素材力の強さと、それにより引き出されるもう一段目の味は、驚きの一言しかなかった。というか、もう一皿注文すればよかった…
・スケソウダラの白子 西京味噌焼き
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 香ばしく焼かれたこの一品。焦げた味噌が発する芳醇な香りと白子のコクが相まって、ご飯が…ご飯が…恋しくなる。
・豚肉の焼き物
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 しまった…これだけ、品名をメモするのを忘れてしまいました。
 ジンギスカン鍋のようなドーム型の鍋で、厚さ約3ミリの豚肉をじゅんわりと焼く。時間が経過するごとに、余分な脂が鍋の縁に流れ出し、程よい焼き加減になるのと同時に、旨さのピークを迎える。
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 グシュグシュとかみ締め続けても、口にしつこさは残らず、濃厚なエキスが作り出す心地よさが広がる。また、鍋の縁で焼くネギが豚の脂を吸って、ずるい旨さとなっているのもニクい。これも…ご飯が手元にあれば…
・ホヤの刺身
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 東京で見るホヤには、デコボコした部分が少なく、皮も思ったより薄めでまるでボールのような形。変な話、持ちやすい。
 しかし、こちらは皮の見た目や厚さが違う。お店のご主人に伺うと、これが天然のホヤだとのこと。ちなみに、この日のホヤは太平洋側の浅虫産。身の色もオレンジが強いのではなく、うっすらとオレンジ色に染まっている。
 一切れ、箸で挟んで口元に持ってくると、過剰な強さの香りがないことに気がつく。そして、口に入れて歯を動かすと、独特のクセは当然持っているものの、それが得意・苦手を分けるほどに強烈なものではなく、長所として生きていることを感じる。
 アワビとナマコの真ん中のような噛み心地から、ジューシーな味わいが広がって、珍妙なものに会った嬉しさと、自分の中でのホヤ像が変わったことに衝撃を受けた。これは、東京で一番ホヤが好きかもしれない、この方に食してもらいたい味である。
 いやぁ…大満足。お店のご主人の雰囲気もよく、居心地がたまらない。自分のような飲めない客でも歓迎というのが素敵。青森食材の深さを楽しむには、ここはとってもいいお店です。
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著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu