埼玉県行田市・埼玉B級ご当地グルメ王決定戦! ~その1~

関東,ひるたび・さんぽ

 旨いランチと郷土食フリークの皆様、ひるどきでございます!!!!!! 
さて、現在のひるどき、順位はいかほどに?
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 これは約三ヶ月前のお話。でも、三ヶ月経過している今だからこそ、書きたいことがたくさんある話。というのは、食イベントは打ち上げ花火ではなく、ゴールに向かっての導火線であるべきなのに、B-1と比べて、このイベントに参加した料理の名前を、あまり聞かないというのが正直寂しいからである。
 朝4時台に目を覚まし、小田急→湘南新宿ラインというルートで北上し、途中の大宮駅にて合流したこちらの方と、鴻巣市にある吹上駅で下車。駅でタクシーを捕まえ、隣の行田市に移動。
 到着したその現場で催されるのは、埼玉県内に点在するB級ご当地グルメを、その料理に関する協議会や代表的な店舗が提供し、お客さんの投票にて№1を決めてしまおうというイベント、「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦!」。
 で、開会式の会場では、すでにこの方がその模様を撮影中だった。
 このスキーム、B-1グランプリのスキームなのだが、あれが全国版とするならばこちらは埼玉版。ということで、B-1効果で御馴染みの料理から、まだ未ぬ強豪まで揃いに揃ったのが全14品。そして今回、こちらの方の縁で知り合ったのが、フードファイターであるこちらの方
 今は、現役の第一線からは少し離れたところにいらっしゃるが、心に宿る大食いの炎は今もメラメラと燃焼中。今回も単独行動により全料理の完食を目指している。
 開始までまだ時間があったので、B-1で知り合った日経の担当の方に挨拶回り。そして、開始時間の10時となったので、3人で全食制覇を目指すことに。


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 ところが、既に各テントには既に長蛇の行列が。ということで、3人で分担しての料理を確保することに。
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 最初のお目当てのテントの隣では、市長自らが接客に当たっていた。イベント目的の一つがシティセールスであることを考えると、この光景はまさに理想的な姿。自分の住む相模原市も、ここまでシティセールスに熱心であればと、少なからず思ったのも事実。
・東松山市代表 東松山やきとり
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 約20分の行列を経て最初にたどりついたのが、東松山やきとり。元々、「辛味噌+豚のカシラ」というパンチのある組み合わせで、ご当地グルメ界では有名な一品。
 ただ、正直このイベントに臨む参加姿勢としては難あり。というのは、代表してある個店が出店していたが、販売方法がイベント用ではなく、本数制限することなく、しかも東松山やきとりの本流とされる「辛味噌+豚のカシラ」以外の、普通のやきとりも販売されていた。
 単純にイベントにお店が取る販売方法としては正解ではあるものの、東松山やきとりを代表してイベントに参加するというお店としては、ネガティブイメージがついてしまうこの売り方は、あってはならないことだと思っている。
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 味は、辛味噌の濃い刺激が口中を覆い、そこの中を肉の旨みがぐるぐると通り抜ける感覚。しっかりとした歯ごたえの肉から溢れるエキスが、タレに負けずにしっかりと。真っ当な味だけに、販売方法だけが勿体無いという印象が残った。
・寄居町代表 モツ煮
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 県内有数の豚生産地である寄居町。厚木のシロコロホルモンと同じように、豚を活かした名物をということで出品されたのが、このモツ煮。ゆず、ネギ、コンニャクといった薬味やアクセント系の素材も、メイドイン寄居町。
 モツ煮という料理ゆえに、ヒネリをきかせた調理法をすると、奇異で打ち上げ花火的な印象を与えてしまいかねないが、真っ当に調理され真っ当に時間をかけて煮込むスタイルこそ、実は真っ当なセールスだと思う。
 口でほぐれるほどに煮込まれたモツと、エキスが徹底的に染みこんだ煮汁、そして手でちぎられたコンニャクが旨々。ちなみに、2巡目の行列の際には…
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 既に売り切れていた。ただ、これは人気というよりは、絶対数不足だったというのが惜しいところ。
・行田市代表 フライ
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 大きな鉄板で、手際よく焼かれていたのが、大会開催地・行田の2大巨頭の一つ、「フライ」。揚げてないけど「フライ」、でも、家庭ではフライパンを使って調理されるため、「フライ」。
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 モチモチの衣、しっかりと染みこんだソース、そして中に入ったネギ。しっかりソース味の粉食系は、不思議とご飯も食べたくなる味。でも、そのままで1枚食べつくすのも容易という不思議なバランス。
・蕨市代表 和楽備茶漬け
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 こんがりと焼かれるおにぎり。ここにダシ汁を注いだものが、蕨市の名物「和楽備茶漬け」。実はこれ、2007年に誕生した開発型の郷土料理。
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 表面が固くなったおにぎりは、箸で崩していくに連れてダシ汁が中央に浸透し、日本人が大好きな足し算に。トッピングのジャコも水菜もアクセントとしては真っ当。
 ただ、個人的には藁の火でお客さんをもてなしたという由縁から、その名前になった蕨市。藁と結びつけた料理のほうが、より「蕨らしさ」を伝えられる作品になったのではと思ったのも事実。
・鴻巣市代表 こうのすコロッケ
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 最初に見て思ったのが、赤い紙の懐かしさ。このコロッケも60年間地元に親しまれた、「お肉屋さんのコロッケ」という、日本人の裏ソウルフードを復刻させた一品。
 単純にコロッケ、確かにコロッケ、でも60年の長い年月が生み出した味は、単純なコロッケから愛されるご当地グルメとなる。そんなストーリーに満ちた料理ほど、料理の味以上の魅力を備えている。地元の方が、愛を持ってコロッケを語れるというのがポイントか。
・川越市代表 太麺やきそば
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 静岡県の富士宮焼きそば、秋田県の横手焼きそば、そして群馬県の太田焼きそばという、三国同麺が先導する形で、全国に点在するご当地焼きそばは、地域活性化のコンテンツとして認知されつつある。で、ここ川越市の焼きそばも起爆剤として期待される一品。
 焼きそばに限ったことではないが、「特長を一言で言えるか言えないか」というのが、やはり大きな要素である。で、川越市の場合は「太麺」。思えば、三国同麺の三種類は「地名+焼きそば」、川越の場合は「特長+焼きそば」(太くない麺のお店もあるが)。実は、この違いは大きいのかもしれない。
 太いからこそ、ばっちりと麺とソースが絡み、考えることなく本能が欲するように、「旨い」となる。シンプルが求められる料理だけにそれで十分。
・吉川市代表 なまずのたたき
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 江戸川と中川という、二つの川に囲まれたのが吉川市。ということで、昔から川魚料理に親しみが深く今回の代表メニューも、なまずを骨ごとミンチにして丸めて揚げたなまずのたたき。
 名前としては表面だけ火で炙ったものがでてきてもおかしくなかったが、これは本気で包丁で叩いたというたたきだった。
 独特な色合い、独特のムチムチとした食感、肉の味というよりは、ダシが濃くなったような味の肉は、不思議な味という一言に尽きる。ときたま固い小骨が出てくるのが悩ましいものの、ご当地度が高いのはどの料理も持っていない要素を、多く備えているからこそか。
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著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu