つがる市・菓子工房カナン どんな美辞麗句だって陳腐に見えてしまうぐらいに、このお店のお菓子には志が宿っている。

 

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誰にでも、「本当は教えたくない。でも、知って欲しい。」そんなお店がある。で、自分にとってはこのお店がそのお店。
青森市内からも車を走らせること約1.5時間かかる、青森県つがる市。このお店がある木造地区には、JALのファーストクラスでも採用されている、JA木造町のタカミメロンがあったり、駅舎のシンボルがとにかく目立つ木造駅があったり、まるで宝箱のように色々なものが詰まっている。
自分がこのお店を見つけたのは、JA木造町の産直施設に帰省用の手土産メロンを買いに行った際のこと。車を走らせていて右手に飛び込んできたのが、明らかに何かを感じさせるお店の佇まい。
それが気になりつつも、青信号は待ってくれない。車が少しずつお店から離れていく度に、興味は増すばかりだ。
だから、正直なところメロンを買っていてもこのお店のことで頭が一杯だった。なので、6個入りの箱を購入したら車に飛び乗り、すぐさまこの店へと向かった。


お店のガラス戸を開くと、カウンターの小さなショーケースに入っているのはしとぎ餅。その奥のテーブルには、決してパントーンのカラーパレットに出てくるような色で化粧されたお菓子じゃなく、大福やドーナツといった、シンプルなお菓子が整然と、そして温かみを感じる陳列がなされていた。
その種類が少ないだけに、選ぶのに迷ってしまう。たぶん、どれを食べても美味しいに違いない。4年半以上ブログをやっている経験則から、それはお店の空気で分かる。
そして、自分が絶対に食べたいお菓子は既に決まっていた。ガラス戸を開ける時点で決まっていた。ただ、帰省用の小さなお土産として、東京にもって行きたい味を選ぶのに迷っていた。
考えて考えた末、マドレーヌと玄米かりんとうを購入。
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このお店で使われる材料は地元産を中心とした地産地消主義。今になっては、それすらも差別化のメッセージとして語られるべき要素になってしまったが、考えてみると、以前は珍しくもなんともなかった話だと思う。
そんな風に作られたこの二品、実は自分は食べてない。でも、美味しいに違いない。そして、どんな反応をしてくれるだろうか?そんなことを考えながら、お菓子を買うのは初めてだった。
さて、自分の番。注文したのはこの一品。
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愛くるしいキャラクターとして描かれたカラメルアイス。牛乳と砂糖、そしてカラメルを作るためのわずかな水だけでシンプルに作られたアイスが、コーンの上に少しずつ成形されて手元にやってきた。
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自分はこのアイスを一口食べたとき、震えて興奮して叫んでしまった。
シンプルなのに深い味に震え、作り手の志に震え、そして、華美な姿のお菓子に対するアンチテーゼのように、こんなにも素朴で優しくて嬉しくなる味にめぐり合えたことに震えた。
願わくば、この味に毎日接していたい。それだけで、生きていることがもっと豊かになると思った。
だから、また車を走らせて買いに行くことにしよう。ありったけを買い占めるなんてナンセンスなこと、絶対にしちゃいけない。たとえ売り切れていても、そのことを嬉しく思おう。そして、お店に行ったら切り盛りするご夫婦とそのお母さんと、カラメルアイスを片手に笑ってお菓子の話をいっぱいしよう。
今の今でも、一刻も早くこの店に行きたくてしょうがない。
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ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家 地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。プロフィールやお問い合わせは下のリンクから。
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