ある日の奥入瀬渓流 ~その2~

 

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石ヶ戸の瀬から車を走らせ、少し十和田湖方面に行くと、左手にちょっとした目印に「阿修羅の流れ」の文字が記された場所に出る。
確かに、馬門橋を渡り、ゆるやかなカーブを曲がったとき、なぜだかよくわからないものの、独特な雰囲気を感じた。
別に自分に霊感があったり、奥入瀬にそういうものがあるなんて話は聞いたことはない。ただ、緑の隙間から差し込む光の量が減り、元々が特殊な空間の中、更にその一角だけ惹かれるような何かに包まれていたことは確かだ。
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実はこの日、自宅近辺はまだまだ暑かったものの、向かう先が山の中ということもあって、少し重ね着をしていた。
でも、今日の心の置き所みたいなものを渓流の流れに任せていたら、いつの間にか車を駐車帯に停めてはカメラと三脚を担ぎながら動き回る自分になっていた。
だから、結局は半そで1枚でパシャパシャとカメラを動かしていた。
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自然のクーラーが身体を心地よくし、逆に頭の中の回路をグルグルと回してくれる。
たぶん、風景写真を撮ることはその風景の最高のファンになり、惚れて惚れた姿を心に収めながらカメラに収めることなんだろうと思ったり。
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なんて、本当は何にも分かってないくせに、生意気なことを思ってしまうのが恥ずかしい。
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三脚の脚を縮めながら目の前の流れを見ていると、生意気な自分なんて一飲みされてしまいそうだった。
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次に足を止めたのは雲井の滝。高さ25メートルの滝は少し奥まったところにあるので、車の窓を閉めてロードノイズとカーステレオだけの空間にいると、ひょっとしたら通り過ぎてしまうかもしれない。
というよりは、この空間に一番似合うのはオープンカー。特に、ダイハツのコペンみたいに、小さくてキビキビと走ってくれるやつが似合いそうだ。
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激しい瀑布から生まれた小さな流れで、少しだけぬかるんだ地面を一歩ずつ滝つぼに近づいてみると、髪には玉雫がついて、レンズの表面は雨中の撮影みたいになる。
轟音と共に、髪だけに付着した玉雫が少しずつ身体をも包み込む。でも、魅せられた場所から離れたくない。半そで一枚の自分にとって、自然が作り出すジレンマは残酷だ。
さぞかし身を削る思いでそこにいる、修行僧のような岩の姿にも後ろ髪を引かれつつ、この滝を後にした。
タオルでレンズを拭いて、冬場だったら凍結した姿を拝むことができる、白絹や双白髪といった滝を車窓から眺めながら、銚子大滝へと向かう。
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幅20メートル、高さ7メートル。綺麗な長方形をした滝は、奥入瀬の流れに逆らって十和田湖に入ろうとする魚たちにとって、高くそびえる壁となっている。
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大量の水が流れ落ちる様は、まさに壮観の一言。
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スローシャッターで撮影すれば白く細やかな糸が布になったような姿になり、スピードシャッターで撮影すれば、水しぶきの塊が滝つぼめがけて落下する姿に。
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そういえば、数年前にコンデジ片手に眺めたナイアガラも、そんな姿だった。
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青い空の下、瀑布によって作り出された虹が、真っ白なキャンバスに描かれたあの時と、白い一本の虹が、白い布に描かれた目の前の時間をシンクロさせながら、その身をひんやりとした風に当てることにしよう。
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この銚子大滝の滝つぼにはもう一本、別の沢が流れ込んでいる。
この場所で足を止めたとき、妙に身体が冷えた。でも、岩場が作り出す流れが印象的だ。その名を寒沢の流れというこの場所は、五感で印象に残る場所となった。
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さて、この素晴らしき渓流の記憶を胸にして、次はどこに車を走らせよう。
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ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家
地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。詳しいプロフィールは下のリンクから。
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