大鰐町・雪の大食卓会 

 

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今から約ひと月前。いくら雪の量が少ないとはいえ、風は冷たく手がかじかむ中、車で向かった先は大鰐町の山の中。ここで毎年一度だけ開催されるのが「雪の大食卓会」。もちろんテーマは、
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これに尽きる。
この行為の持つ意味の深さたるや唯一無比。この行為を通らずして人は生きることができず、活動する力を失ってしまう。あって当然、身近にあるからこそ、そのありがたみを感じることが少ない時世になってしまった。
お店で売られている料理には、消費の概念に基づいて生まれたものが圧倒的に多いが、この会の題材である郷土料理は、その地で生き抜くために生まれた、保存の概念が強い料理が多い。
資源をムダ使いせず資源を余すことなく、口に運ぶことができるありがたき姿へと変化させることで生まれるのは、食べることに対する感謝の念。
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そんな郷土料理を主役に据えたイベント。地のアルコールと共に、郷土料理を口にするお客さんの姿にうれしくなったり、
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自分も近くの川で獲れたばかりの鮎を焼いたり、
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漬けものや山菜料理、あるいはおにぎりを食べる。個食時代に生まれた料理ではなく、大勢が集まって食べていた時代に生まれた料理には、やっぱり真面目な味が宿っている。
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一通り、大地の恵みと調理の知恵を味わった後は、焚き火にあたりながら舞台に目を送る。
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色々な舞があり、色々な音色があり、色々な芸がある。すると、演者が発する雰囲気が冷たく澄んだ空気を包み込む。
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包み込まれた空気は賑わいの礎となり、空気を共有する人の宴の基に化す。そんなときこそ、人と人とのつながりが生む宴の力を強く感じる。
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食わずに死ねるか!?ではなく、食わないと死ぬ。それが、保存食が生まれた背景であり宿命。
でも、それをイベントのテーマにすると、どうしても学術的なシンポジウムとか、難しい話を伝道するみたいなものになってしまう。それだと、学習欲を満たせても生理的な欲求には届かないと思っている。勉強して感じる楽しさと、美味しいものを食べて感じる楽しさは別物だから。
自分みたいなヨソモノが望んでいるのは、どこかにあるようなまねっこのイベントじゃなく、青森に流れた時間を感じながら、青森に今流れている時間に触れられるこんなイベントなんだと思った。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家
地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。詳しいプロフィールは下のリンクから。
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