新橋・ボワヴェール 「青森のお肉 大試食会」 その3

 

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・大鰐町産「青森シャモロック」のコンソメとその胸肉のエヴァンタイユ 大鰐町産あすなろ卵のロイヤルスタイル 弘前梅の香り
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黒い大地に聳え立つ白い塔。そんな世界感が広がる一皿。
白い塔の正体は薄い緑色の殻に覆われた、あすなろ卵を使った茶碗蒸し。その上に、梅味のコンソメを注いだ一品。梅肉のクニュっとした食感とあふれ出す酸味。これがふるふるした食感の卵と馴染むと、津軽の茶碗蒸しの象徴である「甘さ」とは間逆の印象を残す。
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一方、鶏肉の胸肉。こう聞くと脂が少なくあっさりとした味、そして少しパサつきがあるろいう印象が思い浮かぶが、丁寧な加熱により水分もしっかりと残っているので、ふわふわの食感が保たれている。
しつこさがみじんもないあっさりした口当たりから、しっかりと旨みがにじみ出る肉と、「幸の米」を使ったトロミがかったコンソメのソースを絡めて食べると、なんともたまらない。茶碗蒸しの柔に対してこれは剛。そんな組み合わせになっている。
・十和田市産ダチョウと七戸産短角牛のトゥルヌド、フォアグラとトリュフでロッシーニをリスペクト
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しっかりと熟成されたダチョウも短角牛も見事の一言。
正直、地元でも固いとかの話を聞いていたので、最初はどんな感じなのだろうと思っていたが、これはすごい。本気の赤身の味がここにある。脂無用の深い味は、食べても食べても飽和感にたどり着くことはなく、一切れ食べるごとに減っていく姿を見ていると、ちょっと切なくなる。それぐらい愛しい味だ。
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この一皿を食べ終えて思ったのが、県内には「旨みを引き出す」という一仕事をしているお店が少ないということ。あるにはあるのだが、どうしても「鮮度優先主義」のように、時間が進むことをネガティブに捉えるお店も多い。
青森の食材に宿るのは時間が作り出した味。だからこそ、旨みを引き出す手間を惜しまなかったら、もっと旨い県になると思う。
・ガトーショコラクラシック(あすなろ卵)弘前の干し柿をアクセントに東北町産黒にんにくのアイスクリームを添えて
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最後は、糖度が40度近くにもなる甘い甘い黒にんにくが入ったアイスクリーム。ガトーショコラのホロ苦い甘さとアイスクリームの組み合わせは、一種の王道。ここに、更なる甘さが加わることで味に花と素材に宿るエネルギーを感じる。
そこに、天の恵みで生まれた干し柿の素朴な甘さ。自然栽培で生まれた甘さと、作りこまれた甘さのハーモニーには、「甘い」というシンプルな感情を一言でなんていい尽くせない。
自分を青森に導いてくれたお店は、大阪出身のシェフが腕を振るっている。自分と同じように青森が好きで青森のいいところを引き出した味を、一皿一皿に凝縮している。
15ヶ月住んでいる地の食材の魅力を、改めて感じた夜だった。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家 地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。プロフィールやお問い合わせは下のリンクから。
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