岩手県花巻市・マルカンデパート大食堂 謎の飲み物や、ナポリカツに巨大ソフトクリーム。大食堂がワンダーランドだった時代がうらやましい!

   2016/03/07

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青森に来て以来、「お隣さんだし・・・いつかは行ってみたい。」と思いながらも、「いつか行くからいいか・・・お隣さんだし」になってしまったのが岩手県。

でも、ETCが期間限定で1,000円になったのをきっかけに初めて訪問。
この恩恵を受けるのは、東京から北上したり南下したりする方々だけじゃない。
県内を走る電車の本数が少なく、弘前から青森への最終電車が22時前という、「中心都市同士を結ぶ路線なのに…」と、理解できない交通事情があるエリアの住民だって同じだ。

そんな思いが一気に爆発し、車を一気に走らせて向かった先は岩手県花巻市。
岩手県唯一の空港や、宮沢賢治の生誕地、そしてプリン大福が名物の産直施設があったりする中、地元の人にも県外の人にも一番有名かもしれないのが、このマルカンデパート。その知名度を高めているのが、この大食堂だ。

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エレベーターで6Fに上がり、ドアが開いた瞬間に目に飛び込んでくるのは、レトロな食券売場の看板と、あまりに広すぎる店内。その席数はなんと560席。紀ノ國屋ホールの客席数より多いとは・・・

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そんな大食堂だからメニュー数も圧巻の一言。デパートにある食堂のたいていは、どんな客層のニーズにも応えるべく、和・洋・中どのジャンルの料理も用意されているが、ここはその数が半端じゃない。
一番上にあるメニューなんて子供が見えるわけない。しかも、これが左右二つに分かれている。

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メニューを吟味して、3種類の食券を購入したら席選び。
実は、開店直後に入ったのでどの席を選んでもOKの状態。ゆえに妙に迷う・・・結局、窓際の明るい席に座ることに。

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次々とお客さんが集まりだし、大きな空間を店員さんが行ったり来たりとなる。おじぃちゃんが食べた味を孫と一緒に楽しめる環境、そこに生まれる笑顔を眺めているだけで、自分も幸せになれる。
そんな中、最初の一品が運ばれてきた。

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その名もドミニカンスカッシュ。見た目に妖しい色を放つ液体を一口飲んでみる。
味は、「カルピス+炭酸水+イチゴシロップ」と思しきもの。
でも、デパートの空気と調和した味。舞台設定が味に与える影響の大きさをを感じさせる一杯だ。

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次に運ばれてきたのは、ナポリタンとトンカツが一緒になった「ナポリカツ」。
デパートの揚げ物となると、あまり肉の厚さが期待できないという先入観が生まれがちだが、これは十分合格点な肉の厚さ。

ジューシーなカツとケチャップがリードするナポリタンの味が組み合わさると、普段絶対に自宅で合わせない組み合わせだけに、妙に贅沢なことをしていると思ってしまう。
ちなみに、これで550円。きっとこの価格は大食堂のやさしさに違いない。

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そして、この食堂名物のソフトクリーム。高さおよそ25センチ。箸で食べるという流儀に従って食べるが、周りのお客さんも同じように箸で食べている。妙な共有感が美味しさを高める理由は、何だろうか。

あまりにも満足度が高いデパートの大食堂。大森のダイシン百貨店と同じように、街を見守り続け、街と共に年を重ねてきたお店。だから、みんな安心して足を運びみんな笑顔になって帰っていく。

聞けば、青森にもそんな大食堂があったという。約16ヶ月前に青森に来た自分の記憶には全くないお店なのに、お店の思い出話を聞くと心から復活してほしいと思う。

自分が進めているこのプロジェクトも含めて、青森に住む方の心に根ざす料理や食文化だって、ヨソモノにとってみれば偉大なる存在。重要なのはその存在を維持することなのだが、色々な理由でそれが失われたりしているのは至極残念なこと。

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お店を後にする時に見かけた親子の姿。
ワンダーランドに訪れた子供がそのスケールに圧倒される姿を、青森でも見てみたい。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家
地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。詳しいプロフィールは下のリンクから。
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コメント一覧

  1. ロレンス より:

    昔のダイシンファミリー食堂を思い出しますね~
    (改装前は1フロア全部が食堂だったんです)
    そしてソフトクリームは、
    上海の“マルコポーロ”を思い出しますね~
    最後の男の子、上段のメニューは見えてないだろうなぁ
    ていうか、大人も見上げているし(笑)

  2. 一日一麺 より:

    takapuさん、青森の食堂といえば、協働社ビルの食堂を思い出します。畳敷きで、和食、ラーメン、洋食までなんでも揃っていました。こんな食堂はいつまでも残っていて欲しいですね。

  3. takapu より:

     【ロレンスさま】
     どうして、カタカナ名前のデパートには、魅力的な食堂があるんでしょうかね。
     ナポカツにしてもソフトクリームにしても、どストライクなアイテムでした。おそらく、子供からこのお店で食べていれば40代には全料理制覇できるんだろうなぁ・・・と(笑)。

  4. takapu より:

     【一日一麺さま】
     噂の協働社食堂ですね。そういえば、アスパムのアイスフェアにも、畳敷きスペースが・・・なにやら、デジャヴュを感じます(笑)。
     この食堂を復活させる動きってないんでしょうかね・・・今だからこそ、機能的な店じゃなくて人の賑わいがあるお店が欲しいものです。

  5. 蓮花 より:

    おおおーーー!!
    10段ソフトクリーム!
    (つい数えちゃいました)
    最後のひょろ~んと垂らした
    前髪みたいのがお見事ですね。
    よく落ちないなぁって不思議なんですけど・・・ 濃厚だから??
    箸で食べるというのも新鮮ですねぇ。
    やってみたい。。。

  6. takapu より:

     【蓮花さま】
     10段ソフトは、少し固めなのです。トロ~リとした、コルネットのソフトクリームとは別物と思ってOKです。
     ただ、箸で食べ進めると、真ん中にしっかりと空洞ができていることが見えるんです。まるで、ナムコの「バベルの塔」のパッケージ写真ですな・・・(笑)。

  7. 百恵 より:

    見てはいけないものを見てしまいました。
     ナポリカツ。。。食後にあのソフトクリーム!
    すぐにでも、行ってみたいです。 
    昭和を彷彿させる食堂は、幼い頃家族で出かけた時の唯一の外食(贅沢)でした。

  8. takapu より:

     【百恵さま】
     私の実家の最寄り駅にも、昔こんな感じの食堂がありました。陶器でできた車の上には、エビフライ、ハンバーグ、唐揚げ、旗つきのチキンライス・・・
     私にとっても、大食堂は思い出であり贅沢な場所でした。当時、大人が食べるショウガ焼きの正体がわからず、気になっていたり・・・

  9. 西澤 誠 より:

    おはようございます。覚えてますか?魚屋の西澤です。弘前のゆぱんきの記事を見たくて何気にのぞいていたら、なんとマルカンデパートが載ってるじゃないですか! 嬉しくて思わずコメ!実は、娘が3月まで花巻の富士大学に行っておりまして、マルカンデパートの食堂にも2回位行きました(何コレ珍百景で紹介されてから) あそこに行くと、涙が出そうになります。田舎だと家族で行ける食堂等あまり有りません。だからお父さんが東京に出稼ぎに行く、息子が東京の大学に行く、嫁に行った娘が帰って来る・・・そんな時、花巻の人達はマルカンデパートの大食堂で食事をしたと思います。父親を・・・夫を・・・息子を、娘を・・・どんな思い出送り出してやったのか・・・また、食堂から見える花巻の町並みを、どんな想いで心に焼き付け都会へ出で行ったのか・・・涙が止まらなくなります。青森では協働社の食堂もそうですが、芝楽ですね!神奈川はどうですか?風邪などひかぬよう!

  10. takapu より:

     【西澤様】
     大変ごぶさたしております。
     マルカンの食堂は、やはり青森の協働社と同じ感覚なんだろうと思います。
     自分は当然足を踏み入れたことがないのですが、あの食堂は、誰もにとって憩いの場であり思い出の場所だと聞いています。
     今はなくなってしまい、行くことができない場所なのに、なぜか懐かしさを感じるのは、本当に愛された店にしか許されない資格だと思います。
     神奈川には、自分にとって思い出の店はあるのですが、共通項になるようなお店は本当に少ないんですよね…やっぱり、青森は人にやさしい場所だと思います。

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