青森県三沢市・赤のれん そう、ここがバラ焼きの元祖と呼ばれるお店。

 

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神奈川にある自分の実家の近くには、米軍キャンプで働く米国人の居住エリアがある。なので、街中をYナンバーの車が走る姿は、自分にとって当たり前の光景だ。でも、青森に来てしばらくは、そんなナンバーを見かけることがなかった。
ところが、とある用事のために三沢に行くと、街中にはYナンバーの車が走り、米国人専用の賃貸住宅まである。同じ風を浴びながら同じ空気を吸っている、フェンス越しの異国の光景しか知らない自分にとって、ちょっとしたカルチャーショックだった。
そんな米軍基地があるからこそ、この三沢の地で生まれた食べ物が「バラ焼き」。歴史の紹介はこちらのページをご覧いただくとして、今では、十和田バラ焼きとして各種メディアに登場している、バラ肉とタマネギの組み合わせが生まれたのは、このエリア。
その中でも、元祖と呼ばれる赤のれんを訪れた。
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店内に入り、テーブルに座って上バラ焼きとごはんやら味噌汁やらを注文。上がつくかつかないかは、脂身と赤身のバランスによるらしい。
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円形の丸い鉄板が卓上のコンロに設置され、熱せられた鉄板の上に大量のバラ肉とタマネギが、一気に盛られた。この大胆さがお店で食べるバラ焼きの魅力だと思う。
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熱せられた赤色の肉は茶色へと変化し、タマネギの白は飴色へと変化していく。色の変化が食欲を刺激し、鉄板から立ち上る香りと湯気が数分後に現れる幸福への狼煙となる。
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食べごろになった頃合に、ごはんや味噌汁、そしてキムチが運ばれてきた。やっぱり、焼肉にはキムチだ。アツアツのところを鉄板からつまみ、ごはんの上でワンバウンドさせて、口の中へと誘導する。
かみ締めてエキスを味わい、エキスや脂を吸ったタマネギに心躍る。肉よりも野菜のほうが旨く感じてしまうのがこの料理の面白いところ。基本的に焼肉なのに、だ。
元々、もみダレに絡んでいた肉やタマネギを焼くので、そのままでも十二分に旨いのだが、ここに別皿のタレをつけて食べると、酸味によってさっぱりとした口当たりが生まれ、エキスやタマネギの味が一層広がる。この反動が旨さを増強している。
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キムチの辛さを折り交えながら食べていると、鉄板の上は更に白熱の度合いを増していた。水分が蒸発し旨みだけが凝縮される。普通、焼肉は焼きすぎ厳禁なのに、これは焼いてこその魅力を秘めている。
やはり、元祖の味は違った。というより、元祖と呼ばれる店の味を食べてよかった。そして、十和田だ三沢だというのではなく、バラ焼きというものが広まって欲しいと、改めて思う。
そのために必要なのは、三沢は三沢で元祖としての歴史を語り、今のメッカとなっている十和田は十和田で、数多くの方々に親しまれている歴史を語ることではないだろうか。食文化は人や社会情勢と共に動き回るもので、本物だからこそ動き回ることができるのだから。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家
地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。詳しいプロフィールは下のリンクから。
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