青森 よるどき

青森県八戸市・DA介 本場で食べるせんべい汁だからこそ、菊を散らすのです。

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鯖の殿堂を後にして、向かった先は八戸の横丁街。
みろく横丁がインキュベーション施設としての役割が大きいエリアなのに対して、こちらは昔から活きる大人の社交場。ガラっと扉を開けて店に入り、カウンターに空席を見つけて、お手製の煮物やら、さっとあぶってもらったイカを食べたら、さっと席を立つ。
フットワークの軽さを持って臨めば、一晩で何軒のお店に行くことができるかわからない。そんな場所だから、横丁には魅力的なお店がひしめいている。
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そんな横丁街の中でも、ビジュアル的に色々なところに登場しているのが、このハーモニカ横町。そして、出迎えてくれたのが、「DA介」というお店。
豚の文字や、がっぱり焼きの文字が教えてくれるように、ここは肉に強いお店。
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まるで秘密結社のアジトのように、壁や天井に色々なものが貼られた店内は、カウンター席メインというシチュエーションも手伝って、怪しさと魅力が背中合わせになっている。
そんなカウンター席に座って最初に目に飛び込んできたのは、「15分で帰る1杯だけ勝負・500円」という文字。15分で帰る潔さを持ち合わせてないものの、これを注文する潔さは持っていたので、早速注文。
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お酒と一緒に差し出されたおつまみは、鯖の缶詰と南部せんべいを合わせた一品、鯖の町八戸ならではのマッチングは、南部せんべいをお皿の代わりにして、鯖缶を食べるというもの。鯖エキスがしっかり染みた缶詰のつゆが、じわりじわりと南部せんべいに染み渡る。
お皿がふやける前に食べれば、せんべい汁と同じようにアルデンテ感覚で食べることができ、八戸の日常食文化を垣間見ることができる。
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鯖缶がカラになるころ合いで、せんべい汁のお出まし。「北日本もつ鍋ぞうせん」という妙なネーミングの一品には、たっぷりの野菜とたっぷりのモツが入っている。野菜の甘み、肉の旨み。そんなエキスを吸収させるべく、南部せんべいを割りいれる。
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八戸を中心とした南部地方でお馴染みの食材が、食用菊。お店でお刺身を注文した時に、ゆがいた菊をひとつまみ乗せて皿に彩りを添えたり、あるいは味噌汁に入れたりと、菊をたしなむ方法が色々ある中で、せんべい汁に散らすという食べ方もある。
南部せんべいがアルデンテになるのと同じく、汁を吸った菊は色鮮やかな濃い黄色に色が移り、コリコリとした独特の食感に変化する。せんべいと織りなされる食感の諧調がなんとも楽しい。
二軒ということもあり、お腹は既に満腹状態。でも、不思議に箸が進むのは、きっと色々な要素が詰まった一品だからこそ。一緒に鍋をつついたこちらの方にもご満足いただけたようで何より。そして、自分も、もっと横町のお店を知りたくなった。
青森に来て2回目の年越しを迎える中で、地域に根付くローカルフードの魅力をブログを通じて記させてもらっていると、もっと、日本に眠る食文化は世界に知られてもいいものばかりだということを、毎日感じさせられる。
それは、よく農山漁村という言葉で範囲を括られるエリアに息づく伝統的な食であったり、あるいは、住宅街に存在する、近所の方にとって妙に旨いお店であったり。
グランメゾンのように華やかなお店にも興味はあるものの、やっぱり自分は地域に根付き、地域の日常に活きる味や食文化を記したい。
というより、気取って食べるような食事が旨いのも勉強になるのも分かっているものの、安らげないからあまり好きにはなれないというのが本音。ハレの日にフレンチを食べるより、ハレの日には甘い赤飯を食べたい。そんな身体です。
ということで、来年もこんな感じでやっていきます。引き続きのご愛顧をよろしくお願いします。

  • この記事を書いた人

takapu

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家 食や旅をテーマにした商品開発や既成品リノベーションを始め、コンテンツ企画、取材・執筆・撮影、PRツール制作、漫画原作、講演、事業所の強みづくりコンサルティングを手がけています。 詳しいプロフィールはお仕事に関するお問い合わせは、下のリンクからお願いいたします。

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