青森県弘前市・弘前さくらまつり2010_雨中の夜桜と一杯の津軽そば

 

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小雨混じりの空模様の中、土手町から弘前公園へ一歩一歩進む。
自分が知っているいつもの町中よりも、交差点で信号待ちをする人の数は多く、歩行者用の信号が赤から青になる瞬間を待ちわびていた。
桜の花と共に傘の花が咲く外堀、弘前公園を包み込む桜の姿は、シャッターボタンが押される度に記憶とメモリに残される。
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東門から公園に入り、雨で柔らかくなった通路を進む。
傘からのぞきこむように、桜の咲き具合を確かめつつ先に進んでいると、ライトアップされた日本で一番古いソメイヨシノが。ほんのりとしたピンク色が薄暮の中を照らされる姿に、被写体としての桜の魅力は時間の変化によって変化することを教わる。
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天守の周りには、傘を片手に桜の姿を楽しむ人の姿。こんな日は足元を気にするものだが、この瞬間は足元ではなく気になるものはただ一つ。
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更に歩いてS字のようなカーブを下り、露店が立ち並ぶ広場に辿りつく。
色々なお店が立ち並ぶものの、やっぱりこの店に行かない理由はない。四代目の親父さんにあいさつをして、「津軽そば、まだありますか?」と尋ねると、「おぉ、あと3杯分だけだよ」という返事。普段、安堵感なんて言葉を易々と使ってはいけないことを学ぶ。
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おでんも注文、熱々を頬張る。そして、熱々の津軽そばをすする。
丁寧に作られる焼きぼしを使って引かれた出汁が、数日かけて作られるそばと組み合わさる。ホロホロとした独特の口当たりと、焼きぼしの上品で繊細な旨みが、弘前にいることを実感させてくれる。
やっぱり、自分にとってのさくらまつりは、この一杯に尽きる。
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店に流れる居心地のいい空気に後ろ髪をひかれつつも、再び傘を差しながら歩く。怪しく照らされた桜を背景に、記念撮影をしている人の姿あり。
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水面に映る桜の姿は、今宵は雨の波紋でゆらいでしまう。でも、それもまた自然と自然の共演の一つ。きっと、「去年の桜は雪景色だったね。」と同じように、「そんな日もあったね。」と誰かの心に刻まれるに違いない。
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とはいえ、この日の桜はまだ6~7分程度の咲き心地。ご丁寧に、こんな看板とパネルが飾られていた。
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でも、やっぱり本物にはかなわない。ただ、満開の美しさを知っている弘前だからこその心意気。知らずにいたら、今だって満開と言われてもおかしくないぐらいに、弘前の桜は美しい。
さて、弘前に来たからには、やはりあのお店に顔を出さねば。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家
地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。詳しいプロフィールは下のリンクから。
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コメント一覧

  1. やっぱり弘前の桜は、見ごたえありますよね~☆
    夜空に映える桜が、なんとも風情があります♪

  2. まさぴ。 より:

    ああ、弘前城のさくらは観たいねー。
    そして、あの津軽そばのお店も心残りであります。

  3. 百恵 より:

    おかえりなさい。
    近年にはめずらしく、GWと桜がぴったりでしたがこの日は雨だったんですね。
    尚更、「津軽そば」と「おでん」が温かかったのかな?

  4. 一日一麺 より:

    子供が生まれてから、弘前公園の夜桜は見ていませんでした。やはり美しいです。takapuさんの腕かもしれませんが。三忠食堂今年も美味しかったですよね。また来年も是非^^

  5. takapu より:

     【十和田こまちさま】
     あります!ありすぎます!!昼の彩りと夜の艶を知ると、今度は朝の桜を。と思うのですが、実はまだなんです・・・

  6. takapu より:

     【まさぴ。さま】
    弘前城の桜を、3年連続で拝める幸せ感じてます。
    ホテルも取りにくく、列車も取りにくくの中、色々な巡り合わせに恵まれたことを、本当にうれしく思います。
    津軽そばの三忠もご案内したいですが、煮干しの強豪もたっぷりと・・・(笑)

  7. takapu より:

     【百恵さま】
     ただいま帰りました。
     あいにくの雨でしたが、寒くなって桜が長く咲き続けたりもするので、まぁ、桜にとってはいいのかなと思っていました。
     そして、そんなリバウンドでおでんとそばが温かったのも本当の話です。

  8. takapu より:

     【一日一麺さま】
     ありがとうございます。ただ、…これはカメラのカメラによる美しさです。手ぶれ補正も効くレンズなので。
     さくらまつりの三忠で働いている人が、ちょっとうらやましく思えました。こんな素敵なお店の歴史に携わるのって最高だと思います。

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