銀座・カレーうどん革新ラボ 昼のカレーうどん、夜のカレーうどん、そして未来のカレーうどん。

 

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またもや、ちょっと青森を離れて東京の話をひとつ。
ある日の夕方、「なんか、カレーうどんの専門店がベルビアの地下にできるらしい」という、こちらの方のつぶやきを発見。ということで、翌日の昼間に様子を伺いに行くと・・・


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店頭に掲示されていたメニューの上には、「プレオープン」の文字。ということで、地下にあるお店に吸い込まれることに。
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このお店、今や日本に完全に定着した「カレーうどん」という食文化が、日本に浸透してから丁度100周年を迎えたこと記念して、「カレーうどん100年革新プロジェクト」が期間限定で開店している、いわばカレーうどんの研究室。だから、お客さんも研究員になると勝手に考えてしまおう。
ということで、席に座り注文するカレーうどんを決めたら、白衣ならぬ白エプロンを身につけて、カレーうどん実験の準備を進めることに。
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この日注文したのは、牛スジ肉が入った牛すじカレーうどん。ライスと漬物、生七味唐辛子のペーストがセットになったもので、古奈屋のようなマイルド系のカレーうどんを目にする機会が多くなった昨今、黒みがかったスープからは、男臭さみたいなものを感じる。
一口含むと、出汁と肉エキスがしっかり効いたスープの味に舌を委ねた後に、カレーのスパイシーな刺激がじわりと広がる感覚。スイッチが入ると何口でも飲んでしまいそうだ。
このスープが絡む麺のハリが心地よく、噛みながら粉とつゆの旨みをしっかりと混ぜ合わせる中で、このセッティングがぶれていると、「カレーにうどんを入れた」とか「うどんつゆがカレー」といった、いらぬ主従関係が現れるんだろうと思う。
日本人は、白エプロンをしておきながら結局は、エプロンがかかってないところへのアタックを気にして、カレーうどんを恐る恐る食べがちであるが、自分も例に漏れず、大胆さのかけらもないゆっくりペースですする。ときどき、生唐辛子の刺激を与えながらすする。ひよこ豆の揚げ玉の軽いアクセントもあって順調にすする。
で、うどんがなくなった後はカレースープライスになるのだが、あまり食べ過ぎると午後の活動に支障が生じてしまうゆえ、気をつけたいところ。
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研究を終えてお店から出ようとしたところで、目に入ったのがこの縦横図。帰り際に後ろ髪を引くような図を出してほしくないと思いつつ、1か月のうちにどれだけ食べられるだろう…と思っていた。
と、そんな中でお店の内覧会のお誘いをいただいたので、翌日の夜に再びこの場所に向かった。元々、このラボは、「游喜庵」と「革新庵」の二つに店が分かれていることもあって、最初に日本三大うどんの一つとされる水沢うどんが、カレーと融合した「游喜庵」のメニューを全部注文。
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とはいえ、ベースの水沢うどんを食べないことには始まらないということで、最初はざるうどんを注文。腰の強さ、とツルツルなのど越しが気持ちよく、単純に、ラボが終了する後にも、このうどんにリーチできるお店があればなぁ・・・と、思ってしまった。
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そんなところで、5種類のうどんが運ばれてくると、テーブルにはスパイスの香りが立ち上り、1分前の空気とは一変した。
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ザ・激辛な、ガラマーチヤうどん。暴走するのではなく、疾走するといった潔い辛さのうどんは、確実にビールに合う一品。チャーシューをおつまみにして、というたしなみ方もありあり。
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和風カレーうどんは、やわらかい和の魚介系な出汁が効いた一品。シャキシャキしたタマネギの甘さが、見た目以上にポイントになっている。
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マイルド和風カレーうどんは、チーズやクリームを加えたことで、コクとやさしさでスープを立体的にした一品。汗の噴き出しが少ないので、味も含めて女子向きな一品。
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牛とろとろカレーうどんは、スープが欧風的な一品。牛筋カレーうどんと同じで、肉がしっかりと旨いのがキモ。カレーライスとの絶対的な共通項であるが、具がしっかりしたカレーメニューって、やっぱり嬉しくなる。
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そして、マスコミ向けの内覧会でも人気が高かったというキーマカレーうどん。うどんとソースを絡めて絡めて食べると、ストレートな刺激と肉の旨みを、基礎力が高いうどんが受け止めるという期待通りの味になる。しかも、ごはんに乗せやすい。確かに、これは人気になりますわ。
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全ての器の中が空になったところで、革新庵のメニューと日替わり的黒板メニューを注文。さすがに、10種類全部というわけにはいかず、5種類をチョイス。
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ありそうでなかったカツカレーうどんは、カツがどーんと鎮座しているだけに、スープ部分はちょっと少なく、絡め型に近い一品。野菜のシャキシャキとカツのボリューム感が、食べる側にリズムを作ってくれる。
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そして、毎日は出してないという黒カレーうどん。ソース的に考えると実は自分が一番気に入ったのはこの一品。ずっしりと胃袋に響く濃い味は、やっぱり男子向けな一品。具なしのシンプルな作りなのに共感できる味なのが、具入り派の自分には驚きだった。
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変化球系としては、冷やしものの豆乳冷製サラダカレーうどん。豆腐を軸にして、枝豆とトマトと水菜というヘルシーな具が彩る一品は、うどんとの相性もさることながら、冷汁的にごはんにぶっかけて食べてみたい。
そんな第二ターンを終えた時点で、ご一緒いただいた方も含めて胃袋がギブアップ。吐く息が黄色く染まるぐらいになっていた。
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空にしたいと呼んでいる胃袋をさすりながらお土産コーナーを眺めると、なぜか青森系アイテムが目白押し。どうやら、りんご→バーモント→バーモントカレー→味噌カレー牛乳ラーメン的な流れで実現したらしい。
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テイクアウトが可能なのも、うれしいところ。カレーうどんのテイクアウトって、考えてみると「ありそうで…」という土俵に立つ前に、考えもしなかったことだが、これは嬉しい話。
一人で食べるカレーうどんが、午前中の仕事にちょっと疲れた自分自身の身体に、スパイスの刺激を取り込むコミュニケーションだとすれば、大勢の人と食べ比べをするカレーうどんは、マイカレーうどんメモリーみたいな話が飛び交うコミュニケーションのテーマとなる。
現代、対話の種になる食文化って、おそらくはご当地ものの差別化の話かカレーぐらい。だからこそ、こういった形でカレーの可能性が膨らむことって、実はすごいことだと思う。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家 地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。プロフィールやお問い合わせは下のリンクから。
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