神田・浜よし 刺身定食(800円)
一駅移れば、文化圏が違うといった具合に、
昼間過ごしている東京駅界隈と神田界隈とでは、
街の賑わい感が全然違うものですが、
そんな神田にあって、趣ある佇まいをしたお店がありました。
鴨が描かれた暖簾を潜って目に入ったのは、
ご主人と奥様のお二人で切り盛りしている姿。
そして、ワイシャツ姿のサラリーマンが、
美味しそうに魚を頬張っている姿。
つまり、ご近所さんに愛されているということです。
夜は暖簾に描かれているように、
野鴨の料理を出しているようですが、
お昼は普通に定食を出してくれます。
ということで、刺身定食を注文。
すると、おかみさんがテーブルに運んできたのは小さな瓶、
その中に詰まっていたのは、大きな梅干し。
まずはこれを一粒。
それから、ごはんに味噌汁、主菜にサラダといった具合に、
少しずつ目の前に集まってきます。
全部揃ったところで、いただきます。
貝の一粒一粒から余すところなく旨みが染み出た味噌汁、漬物、梅干し。
ご飯との関係は普遍です。
そして、分厚く切られたカツオの刺身。
大きな薬味皿に醤油を注ぎ、
ちょっと混ぜたらカツオに乗せます。
あとは、無心になって食べるだけ。
ご飯を中心におかずや味噌汁の美味しさでお腹を満たす。
これぞ、普通の定食だからこその幸せです。
お会計の後、おかみさんからもらったのは一粒の飴。
どうして、手渡しで受け取る飴は美味しく感じるのでしょうか。
不思議なものです。