茨城県笠間市・民芸茶房 栗の家 栗色の秋

 

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民芸茶房 栗の家-01
常磐道を北上し埼玉、千葉の順に県境を越えると、
東京から約二時間ぐらいで茨城県に入ります。
高速道路の橋桁から見る茨城という街。
ここにだって、あの日の出来事によって
物理的あるいは心理的な被害が生じています。
インターで高速を降りて10分ほど、
JAの直売所を目印に、
お目当てのお店に向かいます。
ここは民芸茶房・栗の家、
古民家を改築して土日祝だけ営業している甘味処です。
和の空気に包まれた静寂の中に、躍動するモンブランの文字。
さっそく建物に入ることに。
民芸茶房 栗の家-02
お出迎えは当時の質感を残した柱や高い天井、
あるいは大きな箪笥や金庫。
津軽で言うところの大家だったのでしょう。
真ん中ぐらいの席に座ってメニューを見ていると、
モンブラン以外の和菓子に心移りしそうだったのですが、
やっぱりモンブランにしました。


民芸茶房 栗の家-03
まずは、ご一緒いただいた方が注文した栗蒸し羊羹のセット。
手しごとの効いた断面から、やさしい甘さが伝わってきます。
見てるだけなのに満たされるのは、こういった様式美があるからなんでしょう。
そして、モンブランです。
民芸茶房 栗の家-04
こんな姿のモンブランは初めてです。
ベーシックなものやペンキを塗ったようなモンブランには
お目に掛かってきたのですが、
これは土台のない、つまり和栗のペーストだけで築かれた山脈なんです。
早速、フォークで一合目あたりから口にすると和栗の甘さだけ。
あまりのシンプルさに驚きを隠せず、あまりのおいしさに喜びは隠せません。
ふわっと鼻腔に抜ける栗の香りは、余計な足し算を施さないからこそ。
この加減こそが本当の技術というものだと思うんです。
ほろっと繊細に、今すぐに崩れてしまいそうな姿ですが、
頂点にたどり着くまで秋の山脈は持ちこたえてくれました。
すごいものです。
正直、これまであまり意識していなかった茨城の味ですが、
あの日のことを含めて、和栗の味と共に刻ませてもらいました。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家
地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。詳しいプロフィールは下のリンクから。
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コメント一覧

  1. 高島のら より:

    和魂洋才とはこのことですね。

  2. 一日一麺 より:

    建築も、お菓子も素敵ですね。栗のお菓子大好きです^^

  3. takapu より:

    【高島のらさま】
    おっしゃるとおりですね。
    大切にすべき軸を見誤ってないのが、
    このお店の魅力だと感じました。

  4. takapu より:

    【一日一麺さま】
    栗のように、秋のものとして旬を迎え、
    短い時間の中でとびっきりの美味しさを
    堪能したい食材と料理は、
    こんな感じのお店で食べるに限ります。
    質量共に豊富な時期である一方、
    旬は安く消費しすぎてもいけないんですよね。

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