福島づくしの夕食。

 

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浪江やきそばとじゃがいも床-01
ある日の夕食、食卓には極太の焼そばと
鶏胸肉のグリルが並びました。
浪江やきそばとじゃがいも床-02
この太麺こそ浪江やきそば。
がっしり目のソースが絡んだシャキシャキのモヤシと豚肉、
パワフルな姿からそれ以上にパワフルな味。
ズルズルすすれば瞬時に元気になれちゃいます。
これは、二本松に行かれた方から頂いた、浪江の名店・杉乃家製。
震災の影響を受けて、全域が避難地域となった浪江から移り住み、
営業を再開した飲食店はこの杉乃家さんだけ。
二本松駅前の市民交流センター内に構えるお店で、
以前と同じ箸袋で、変わらぬ故郷の味を提供しています。
そして、鶏胸肉のソテーにも一工夫。


浪江やきそばとじゃがいも床-03
塩麹を揉み込んだお肉が、こんな感じに焼けるのですが、
これは塩麹ではなく…
浪江やきそばとじゃがいも床-04
この、魔法の漬け床・じゃがいも床を揉み込んだものなんです。
漬物床と言えば、糠という言葉が反射的に出てきますが、
じゃがいもをペースト状にした使った漬物床に、
昆布や椎茸といった出汁材を加えて野菜を漬け込めば、
唯一無二の味ができ上がり。まるで、野菜の共和えみたいです。
元々、会津地方の食文化だったものが、
時代を経て県内で食される範囲が広がり、
最近では魚や肉を揉み込む調味料としても、
使われているそうです。
この日は鶏胸肉150グラム程度に対して、
揉み込んだのは小さじ1杯。
焼くと香ばしく甘い香りが立ち上り、
その味は塩麹以上にまろやか。
あっさりした鶏胸肉の味がキリっと引き締まります。
この量でしっかりと味を引き出すのですから、
昔の方の知恵は本当に偉大なものです。
地域の食文化やそれを生み育てた知恵は、
食べるプロセスを経ないと受け継がれません。
今、確かに福島の食材を食べる機会は少ないのですが、
食文化は色々な形で食べ継ぐことができます。
それを放棄するよりは、自分はそれを選びたいと思うのです。
なみえ焼そばで街おこし活動に取り組む、
浪江焼麺太国のキャッチフレーズは、
「何事も馬九行久馬九行九(うまくいく)」。
今だからこそ、この言葉の意味深さを考えずにいられません。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家 地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。プロフィールやお問い合わせは下のリンクから。
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