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島根県隠岐の島町 炉端 味咲 魔法使いの手

投稿日:09/02/2014 更新日:

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隠岐の島の夜、
宿泊先のホテルから車で向かったのは隠岐空港方面。
広々とした空の姿はもう見えず、
しかも向かう先は繁華街とは反対方向。
「???」の文字が頭によぎる中、
到着したのは一軒のお店、というよりはお宅。
大きなしゃもじがあれば、ちょっとしたヨネスケ気分。
不思議な感覚のままで案内された部屋には、
大きな炭焼き網が鎮座し、それを囲むように掘りごたつ式の席。
傍らには、既にいくつもの魚介類がスタンバイされています。
一日一組しか味わえない、隠岐の島の恵みをいただきます。
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まずは、たっぷりの前菜から。
島名物のバイ貝を始めとした地魚のお刺身と濃厚な肝。
中でも、一番箸が踊ったのは、ハバノリとナマコの和え物。
隠岐の島のお正月に欠かせないという一品は、
コリコリした食感と磯の香りが織りなす、
産地ならではのもの。
新鮮で強烈、正に鮮烈な記憶を刻んでくれます。
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そして、網の時間が始まります。
オープニングは、大きな牡蠣のホイル焼き!
白バイ貝やサザエ、あるいはアワビ。
多種多彩な貝が豊富に獲れる隠岐の島、
旨い貝が生まれる自然環境が揃った地だから、
もちろん岩牡蠣だって獲れるんです。
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つまんだ感触はまるで水風船。
大振りな姿にジューシーなエキスが、
ぎっしり詰まっているのが伝わってきます。
もちろん、噛めば旨さが爆発!
季節的には保存しておいたものと思しきなのに、
瑞々しくてパワフルです。
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次に、茄子とピーマン、そしてサザエの味噌炒め。
昔から、この島では貝類は肉代わりに使われることが多く、
牛肉の代わりにこれを使ったすき焼きなんて料理も、
あったようです。
東京の人間にとってみれば、サザエのほうが貴重なのですが、
こっちにしてみれば普段着食材。
そこに絡む優しい旨さの手前味噌。
もし、これが常備されている定食屋さんが、
自分の生活圏にあれば、毎日がもっと嬉しくなりそうです。
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そして、網の上にゴロンと並んだ楕円の物体。
ホイルに包まれたその正体は…


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大きなアワビ!しかも、一人一つです!!
あらかじめカットされたところに、
醤油の香りがしっかり馴染んで、
噛めば噛むほどに旨さが踊り出します。
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もちろん、バイ貝だってこんがりと。
一緒に焼いた椎茸も絶品!
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そして、魚はキンキン。
小型ですが脂はしっとり、でも切れ味しっかり。
身の旨さと脂の甘さが混ざり合った煙も、
ごちそうです。
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そして、締めの一品。
おばぁちゃんが一つ一つ握ってくれたおむすび。
ここ隠岐の島は、海産物や野菜だけならず米も美味しく、
フェリー乗り場近くの直売所で買った、
藻塩米ったら抜群すぎて困ってしまいました。
もちろん地元でも、もずくがたっぷり入って、
アゴ出汁の旨味でふっくらした、
もずく雑炊なんて料理も名物。
丸い隠岐の島で育まれたお米でできた三角おむすびが、
網の上でこんがり焼かれます。
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ここに取り出されたのは、
たっぷりのお味噌。
中身はなんとウニ味噌!!
貝が旨けりゃ海藻も旨く、
海藻が旨ければもちろんウニが旨い。
自然の三段論法で育った黄色い宝石がたっぷり。
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おかみさんの手で焼き立てのおむすびに、
たっぷりウニ味噌が塗られれば、
隠岐の島名物・焼き飯のできあがりです。
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お米が旨いからだけじゃなく、味噌が旨いからだけじゃなく、
両方が美味しく、その美味しさが昔からしっかり根付き、
笑顔の源であったからなんでしょうね、心の中に染み込んできます。
満腹と満足で満たされた時間もそろそろ終わり。
このお店はなんと送迎までしてくれるんです。
ホテルに到着して、運転してくれたおかみさんと、
握手させてもらいました。
それはまるで魔法使いの手。
この感触と温もりで地域の味が作られていることを思うと、
愛おしくなってしまい、手を離したくなくなります。
でも、また行けばいいんです、四季折々の魔法に会いに。

  • この記事を書いた人

takapu

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家 食や旅をテーマにした商品開発や既成品リノベーションを始め、コンテンツ企画、取材・執筆・撮影、PRツール制作、漫画原作、講演、事業所の強みづくりコンサルティングを手がけています。 詳しいプロフィールはお仕事に関するお問い合わせは、下のリンクからお願いいたします。

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