神田・味坊 羊たちで沈黙

 

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味坊-01
銀座の端からタクシーで約15分、
神田の高架下にある小さなお店に到着すると、
店内は勤め終わりの方々で一杯。
鍋を囲み、ビールに囲まれ、パワフルな笑い声に包まれる。
小綺麗な居酒屋では見かけないような開放的な空間は、
神田という町の空気感を凝縮しているようです。
なんとか2人分の席を確保して、
ここに誘っていただいた方に注文をお任せ。
ドリンクは豊富に揃うビオワインの白です。
最初に運ばれて来たのは、干し豆腐の冷菜。
実は干し豆腐好きなのですが、あまりお目にかかる機会がなく、
しかも胡麻油と塩がしっかり絡んだものが多いので、
白とパクチーの緑の組み合わせは、それだけで印象的。
独特の食感は、幅広になれば更にたくましくなり、
軽めに施された味つけに乗って箸が進みます。


味坊-02
そして、名物の羊串。
一口頬張ってひと噛みすると、
香ばしく焼かれた表面の膜を突き破って、
溢れてきたのは圧倒的な肉汁。
その力に言葉を失ってしまいます。
鳥豚牛の三畜と比べて、いい意味で特徴的なクセがなく、
香辛料がリードする純粋な旨味が、野性的な食欲を呼び起こしてくれます。
肉自体の逞しさもあって、噛んでも噛んでも強いトーンで味が続いてくれるので、
なんとも頼もしき存在。
普段は、ジンギスカンでの接点が多い羊肉ですが、
この味に触れてしまうと、一発で虜になっちゃいます。
味坊-03
白菜と板春雨の炒め物。
発酵した白菜の独特の風味が、
醤系の味付けで旨味のカオスを巻き起こし、
そこに食べ応えのある春雨とが絡めば、
これはクセになる味です。
というよりご飯向け、無性に白米が恋しくなります。
このお店はオーナーが出身地である、
中国は黒龍江省の料理を、
現地の調味料をしっかり使って提供するお店。
だからなんでしょうね、
ジャパナイズされた中華料理にない逞しさを感じ、
出会う味一つ一つに新鮮な驚きを発見します。
やっぱり、日本も世界も平均的な味とされるものより、
地方で受け継がれる味のほうが面白く逞しいものです。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家
地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。詳しいプロフィールは下のリンクから。
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