御徒町・珍満 フワフワの焼きそばと、フルフルの餃子
吉池がリニューアルオープンして、
駅前の広場エリアを中心とした整然とした賑いと、
路地に残る昔ながらの賑いが残る御徒町。
その一角にあるのがこの中華料理屋さん。
赤と白の縁起物カラーのファサードに、
ゴシック体で書かれた店名のパンチが効いてます。
2ヶ月前のアド街で紹介されたこともあってか、
この日もランチタイムの時間帯を外したにもかかわらず、
店頭には行列ができていました。
待ち時間の合間にショーケースを見るのは、
中華料理店におけるコモンセンスですが、
看板に書かれていた「手のし餃子と湯麺」という文字を見れば、
特にこのサンプルをじーっと見てしまいます。
でも、店内に入って注文したのは、
タンメンではなく焼きそばと餃子。
焼きそばが食べたかったんです。
黄色がかった中華麺がソースを纏ったルックスではなく、
太く肌色がかった麺にうっすらと餡が絡んだような姿。
そして、キャベツ、豚、もやし、タマネギ、人参、キクラゲ。
大ぶりの具材を目にすれば、
まるで炒めものに麺が入ったような感じ。
昔的に言えばチャーメンと呼ばれるこの料理、
お箸で引き上げれば、伝わってくるのは切れそうで切れない繊細な感覚。
決して弾力なんていう言葉ではなく、フワフワした口当たりの茹で麺。
醤油の味付けがとことん優しいので、
啜って口の中に大きな具が一緒に飛び込んでくると、
その階調に驚かされます。
まるで狐につままれたかのような感覚で食べていると、
いつの間にかお皿の焼きそばは半分以上姿を消し、
餃子へと箸を伸ばすタイミングとなりました。
唇に当たるとフルフルした感触の皮、
その中に閉じ込められているのは、
キャベツとたっぷりのニンニクがリードする餡。
一口食べると、焼き面のパリパリした食感と、
瑞々しい皮との間に入る餡で三層構造になっている感覚。
結構大きめなので、ボリュームもしっかり。
しっかり餃子タレを絡めて、勢い良く豪快に食べ尽くしたい味です。
食事が終わってお店を後にしても、店頭にはまだ行列。
料理が持つずば抜けた個性には、
きっと時間なんて関係ないんでしょうね。