新宿・アカシア ハンバーグとロールキャベツシチューのセット

   2015/07/17

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初めてこのお店を知ったのは、今から30年ほど前のこと。

自宅の最寄り駅から新宿に向かう電車に乗って、多摩川を渡る瞬間に窓の外をジーっと凝視したり、終点駅に到着した瞬間に妙な高揚感を覚えながら、映画を見に行くことは特別なことでした。

それからしばらくは、新宿でご飯を食べるといえばこのお店しか浮かばず、ロールキャベツシチューの味は、自分の小さな旅に欠かせない存在でした。

あと7か月ほどで自分も40歳になるのですが、アカシアは創業52年。干支ひとまわり分の先輩にあたります。

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入口に立てば、定番のロールキャベツシチューの文字が浮かぶ看板が目に入りますが、シチューとカレーのあいがけや、ロールキャベツシチューとハヤシライスのあいがけが、ツートップ的に飾られたメニューサンプル。

「あれ?そういえばいつからこんなメニューあったんだろう…?」とか、「エビフライって以外に良心的な価格なのね…」と感じたり。久しぶりに来てみると新しい発見があるものです。

で、そこに見つけたのが手書きのハンバーグの文字。うーん、それもまた気になるものです。

店内に入って、ベテランとおぼしき女性店員さんに注文したのは、ロールキャベツシチューのセット。

それは洋食屋さんで平均的に見かける形のものではなく、これってハンバーグ?と驚いてしまうものでした。

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両手でパチパチと空気を抜きながら成形したような楕円形でなければ、イマドキの細長俵型でもない。長方形に成形されたひき肉の固まりに、トマトソースがかかったものでした。

さっぱりした肉汁がトマトの酸味と絡むその味は、脂の重たさがなく、割り箸で少しずつ面積が小さくなっていきます。

商業料理なのにどこか家庭的な味がする。と感じつつも、マヨネーズベースのソースが絡んだ付け合せのスパゲティを食べれば、ここはお店なんだと我に帰ります。

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そして、やっぱり欠かせないロールキャベツシチュー。

割り箸で切れるという触れ込みのまま、ロールキャベツがスッと一口大に切れた瞬間の喜びは昔と変わらず、トロッとした口当たりのシチューの塩加減が、不思議なほどご飯との相性がいいのは、このお店らしさが持つ普遍の魅力。

幅広い年代の方と新宿の食べ物をお題に会話をしても、ここは世代ギャップを飛び越えて会話ができる数少ないお店。歌舞伎町をゴジラが見守るようになった時代ですが、このお店はいい意味で昔と変わっていません。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家 地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。プロフィールやお問い合わせは下のリンクから。
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