松屋町・「たこりき」で食べる、熱々ハフハフのたこやき軍団とカレー。そして2つのひんやりスイーツ。

 

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たこりき-01
「つめたこ」という言葉を知ったのは、一昨年の梅雨時のことでした。

その正体は、焼き立てのたこやきを急冷したもの。可愛い響きを持つ言葉と裏腹に、全容が想像できない謎めいた料理です。

偶然、その時も大阪にいたのですが、お店を訪れるタイミングがなく、しかもシーズンインの少し前。

自分にとって、幻のような存在になっていました。

それから約2年が経って、まだシーズンを迎える前の春先のこと。

地下鉄の駅を出て小さな商店街の先にあるお店に辿り着くと、開店時間の15時を過ぎても木製の格子戸はまだ閉じたまま。

「もしかして…臨時休業?」かと思ったら、引き戸の先から味わい深いプリンの看板が出てきました。

ワインセラーの横の先に伸びるカウンター席の一番奥に座ったところで、まずはメニューの文字を追うことに。

たこりき-02
その表紙に貼られたこの子。可愛くて素性をお店の方に伺うと、この子が「たこりき」くんでした。

消しゴムに掘られたマスコットキャラクターは、お土産用のたこ焼きに同梱されている爪楊枝袋で、色々な姿で待っているそうです。

たこりき-03
さて、主役のたこやきを。時間がおやつどきなので一人前とハーフで迷ったものの、小ぶりの文字に背中を押されて一人前を注文することにしました。

ここで残った問題はソース選び。ソース、しょうゆ、マヨネーズ系と色々あったのですが、

たこりき-04
赤字でおすすめと書いてあれば、やはり最初はこれでいくしかありません。

たこりき-05
と、その前に焼き時間のお供としてポテトサラダをいただきます。

じゃがいものほっくり感ときゅうりの瑞々しさを、素材の味がくっきり浮かぶ塩味加減で。

シンプルで食べ飽きないのはもちろんのこと、これはもう一皿食べたくなっちゃいました。

たこりき-06
そして、お待ちかねのたこやきが登場。丸皿にコロンと並ぶ14粒の勾玉。立ち上る湯気に乗って近づいてくるのは、ソースではなく香ばしき生地の香り。

一口で全部が収まるサイズを爪楊枝で刺して口に運べば、その瞬間から熱々ハフハフが止まりません。すいません、私ねこ舌なんです…

少しずつ冷静になって、焼きたてホヤホヤが落ち着いたところで感じたのは、こちらもほのかな塩加減に導かれた、カツオと昆布出汁の上品な旨みと蛸のエキス。

蛸の大きさを食べるのではなく、生地と蛸とネギが一体になった味を食べる。やっぱり。そうですよね。そう思いながら、冷たいビールで口を洗い流す感覚がたまりません。

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そんなたこやきを使った、更にパワフルな熱々メニューがこのグラタン。

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もちろん、中にはたこやきさんの姿が。熱々に悶絶は止まらないのですが、その10倍は食欲が止まりません。

生地の足腰がしっかり固まっているからこそ、トマトとチーズを欲張りに絡めて生まれる、コクが増して酸味の効いた味が美味いんです。

たこりき-07
背の高いビールグラスが空になったところで、次のたこやきメニューにしようかと思ったのですが、目に入ってきたのがカレーの文字。

粉もんの後にごはんを食べる。牛肉のエキスがしっかり溶け込んだソースを決める。

いわゆるお好み焼き定食の「粉✕ごはん✕ソース」とは違う組み合わせですが、締めにはぴったりです。

たこりき-10
でも、やっぱりデザートは別腹。店頭にも掲げられたからほりぷりんは必須ですが、黒板にブラマンジェの文字も発見。

たこりき-11
いやぁ…どうしましょう、笑うしかありません。圧倒的に濃厚な甘さの中に、どこか懐かしさを感じるのは、手作りの佳さがストレートに詰まっているから。

さっきまで熱々だった口をクールダウンさせつつ、心は熱くなるばかり。

たこりき-12
そこに加わったのが、ブラマンジェのやわらかな甘さとフルーツの爽快な甘さ。口の中で溶けて混ざり合って生まれたのは、ズバリ興奮です。

通学路に面した店頭の鉄板から奏でられる音、そして立ち上る香り。

鉄板越しの生まれる美味しいコミュニケーションに、自分が子供だった頃にも会いたかったなぁと。

お店を出た後に「つめたこ」のことを思い出したのですが、それは次回の楽しみに取っておくことにします。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家
地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。詳しいプロフィールは下のリンクから。
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