島根県隠岐の島町・居酒屋「あんづ」で白バイ貝の甘さと地魚のボリュームに圧倒されたら、締めは柳かけご飯で決まりです!

 

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隠岐の島の繁華街・西郷。フェリーターミナルの存在が象徴するように、ここは昔から島にとっての交易の窓口です。

飲食店やバーなどが点在する街中で、特に多く見かけるのが居酒屋さん。それもチェーン系ではなく個人経営のお店。

商業感バリバリというよりも、静かな佇まいで島を訪れた人を料理と酒でおもてなしする。そんな感じが好きだったりします。

西郷にある2つの大きなホテルの、ちょうど真ん中ほどに位置する「あんづ」というお店。

カーテンで覆われた窓からうっすらと漏れる明かりは、最初は少し入りづらい感じも。でも、不思議なもので、壁の向こう側から賑わいの雰囲気が伝わってきます。

店内には出迎えのカウンター席に、大きな座敷席と個室。感じた雰囲気は正解で満員御礼一歩前でした。

カウンター席に座って、手元の定番メニューとホワイトボードの手描きメニューを交互に確かめたところで、料理の流れは決まりました。

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まずは、お通しの白バイの煮付けから。これがないと隠岐の夜は始まらないと言っても過言じゃありません。

白バイのサイズは大中豆の3つに分けられるのですが、煮付けに適しているのは豆から中の間ぐらい。クニュっとした歯触りと内包された弾力から溢れ出す甘み。

そして、忘れちゃならないのが肝のコク。やさしい塩加減でコトコト煮込まれた煮汁が、素材が持つ特長を際立てます。

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お次は白バイのフライ。これも隠岐の島で食べる白バイ料理の大定番。殻から取り出した貝を塩もみしてヌメリを取って、食感がしっかり残る厚さにスライス。少し身にしなりがあるのは鮮度の証拠です。

貝に対してしっかりと仕事が施され、しかもこのボリューム。ビールとの相性がいいのはもちろんですが、傍らに白いごはんが恋しくなります。

カキフライがワタのコクと溢れるエキスの量を楽しむものとしたら、こちらは軽快な弾力とじんわり溢れる上品な甘さを堪能するもの。

ほのかな塩味が際立てる美味しさは、調味料をつけなくても満喫できます。

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「普通の一人前になさいますか?それとも、私サイズの一人前にしますか?」

お刺身の盛り合わせを注文する時に、恰幅のいいご主人から投げかけられた不思議な質問。
もちろん、後者を選んだのは言うまでもなく、その答えは圧巻のボリュームとなって目の前に姿を現しました。

地の白身魚にエビにタコに白バイのお造りにシイラ。「地魚のストックを欠かさないようにしているんですよ。」というご主人のお話のとおり、嬉しいラインナップです。

脂のノリや曇りのない甘み。そしてとろける身と脂。これだけ食べれば申し分ありません。

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と、ここでおかみさんから味見として2種類の日本酒が。どちらも、島内唯一の酒蔵・隠岐酒造のものですが、初めて見るものでした。
平安と江戸ということで、精米90のお酒で、まるで熟成酒のような芳醇なコクと甘さ。

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一方の江戸は、すっきりタイプ。ブランデーのような切れのある味は、女性向けなんだそうです。ちなみに、自分も平安が好みでした。

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そして、締めは「柳かけご飯」。その正体は、島根でとれるアマサギ(ワカサギ)の食べ方の一つにあった、「川柳(かわやなぎ・お茶)をかけたお茶漬け」から来ているお米の料理です。

元々は漁師料理だったというこの一品、こちらでは、醤油ダレで漬けにしたお刺身とワサビや海苔の薬味をごはんに乗せて、アツアツのお出汁を注いでいただきます。

アゴ出汁がお米一粒一粒に染み渡り、半生の状態になったお刺身と一緒にいただけば、もう止まりません。本当に止まりません。ワサビの溶かし方を少し失敗したせいで、鼻の爽快感がスゴかったのですが、「そんなこともいい思い出ですね。」な感じになっちゃいます。

いわば家庭料理が並ぶ居酒屋さん、その美味しさを知ってか、あるいはお店の雰囲気の良さなのか、お店の入口にはひっきりなしに空席を求める地元のお客さんの姿が。

せっかくの旅なのですから、やっぱりこういったお店で時間を過ごしたいですよね。

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/復興庁「専門家派遣集中支援事業」登録専門家 地域食材・食文化をテーマにした商品開発や地域活性事業の企画・運営、取材、執筆、撮影、講演活動、地域メディア・ソーシャルメディア運営アドバイザー。人×食×地域の繋がりを強くする取組みをしています。プロフィールやお問い合わせは下のリンクから。
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